今週(7月8日~7月14日)の相場動向

相場回顧 BTC:米国景気後退懸念により再びBTC=20,000ドルを割り込む

ビットコインはもみ合いスタートとなった。米6月雇用統計が堅調だったことから景気後退懸念が後退した一方で、利上げ加速懸念が強まった。その後、スリー・アロウズ・キャピタル破産の二次的な影響や、セルシウス破綻の懸念もあるなかで再び売りが強まった。7月11日からは新型コロナウイルスの感染拡大や原油価格の下落を受けて景気後退懸念が再燃し、米国株とともに下落した。当局者の景気後退に対する発言やIMFの景気見通しの引き下げもあり、BTC=278万円(20,000ドル)を割り込んだ。7月13日には米6月消費者物価指数の伸びが加速し、今月FOMCでの大幅利上げの可能性が高まった。また、セルシウスが破綻申請を正式に発表した。これらを受けて一時はBTC=264万円(19,000ドル)付近まで大きく下落したが、米国株が金利低下を受けて下げ渋ったこともあり底堅く推移した。イベント通過後には買い戻しが強まりBTC=278万円(20,000ドル)を回復した。

 

来週(7月15日~7月21日)の相場予想

BTCはインフレ動向次第では売りが強まることも、日欧金融政策決定会合に注目

金融市場では米国におけるインフレがピークを更新し、今月FOMCで1ポイントの大幅利上げが実施されるとの観測が強まっている。一方で原油価格が下落していることからインフレ減速の可能性を指摘する声もある。このようななか来週は欧州の6月消費者物価指数や日欧の金融政策決定会合を控える。ECB理事会ではおよそ11年ぶりに0.25ポイント利上げが実施される予定だが、インフレ高進を受けて利上げ加速が示唆された場合には株式とともに売りが強まることが考えられるだろう。

暗号資産市場ではスリー・アロウズ・キャピタルとボイジャー・デジタルに続いてセルシウスが破綻を発表し、これらのほかにも暗号資産関連企業の経営状況の悪化が続いたときには売り優勢の展開が続くだろう。一方、先週も述べたようにこれらの悪材料が落ち着くことで買い戻しが強まることも考えられる。そのほか米国では暗号資産規制に関するパブリックコメントの募集も始まり、各国の規制動向にも注目である。

直近上値としてはBTC=306万円(22,000ドル)、下値としてはBTC=250万円(18,000ドル)を意識する。