【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 30,981.33  ▼192.51 (7/12)
NASDAQ: 11,264.73  ▼107.87 (7/12)

1.概況

米国市場は米消費者物価指数(CPI)の発表を控えインフレを警戒した売りが出て続落となりました。60ドル安でスタートしたダウ平均はまもなくしてプラスになると昼過ぎに172ドル高まで上昇するなど堅調に推移しましたが、取引終盤にマイナスに転じると一時は313ドル安まで下落しました。その後引けにかけてやや持ち直したダウ平均ですが結局192ドル安の30,981ドルで取引を終え3日続落となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も107ポイント安の11,264ポイントと続落となりました。

2.経済指標等

主要な経済指標の発表はありませんでした。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は11業種全てが下げました。そのなかでもエネルギーが2%安となったほか、情報技術とヘルスケアも1%を超える下落となりました。

4.個別銘柄動向

最高経営責任者(CEO)が欧州市場で顧客の発注が先送りされていると述べたことなどからクラウドで業務管理サービスを手掛けるサービスナウ(NOW)が13%近く下げました。また、企業向けソフトウエアを手掛ける他の銘柄にも連想売りが広がりセールスフォース(CRM)が4%を超える下げとなりダウ平均構成銘柄で下落率トップとなったほか、マイクロソフト(MSFT)も4%余り下げダウ平均構成銘柄でセールスフォースに次ぐ下落率となりました。

一方で4-6月期の出荷機数が大幅に増えたことでボーイング(BA)が7%以上上げダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなりました。さらにアメリカン航空グループ(AAL)が第2四半期の最終損益が新型コロナウイルスのパンデミック発生後で初の黒字を達成するという見通しを示したことで10%近く上げました。他の空運株にも買いが波及しユナイテッド航空ホールディングス(UAL)が8%余り上げ、デルタ航空(DAL)も6%以上上昇しました。サウスウエスト航空(LUV)も投資判断の引き上げもあり4%を超える上昇となっています。

5.為替・金利等

長期金利は0.02%低い2.97%となりました。ドル円は136円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は昨日に大きく下げた反動で堅調なスタートが予想されます。今晩に6月の米CPIの発表を控え様子見となりやすいなかで日経平均が一日を通して堅調さを維持できるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)