【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 31,338.15 ▼46.40 (7/8)
NASDAQ: 11,635.31 △13.96 (7/8)
1.概況
先週末の米国市場は米雇用統計で雇用者数の伸びが市場予想を上回るなか、金融引き締めを警戒した売りと景気は底堅いとみた買いが交錯し小幅に高安まちまちとなりました。36ドル安でスタートしたダウ平均は朝方に172ドル安まで下落した後昼前に126ドル高まで上昇するなど一日を通して一進一退の展開になると結局46ドル安の31,338ドルで取引を終え3日ぶりに反落となっています。また、S&P500株価指数も3ポイント安の3,899ポイントと5日ぶりに反落となりました。一方でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は13ポイント高の11,635ポイントと5日続伸となっています。
2.経済指標等
6月の米雇用統計で非農業部門雇用者数は前月比37万2000人増となり市場予想を上回りました。平均時給も前年同月比5.1%上昇となり市場予想を上回りました。失業率は前月から横ばいの3.6%となり市場予想と一致しています。一方で5月の米卸売在庫は前月比1.8%増に止まり市場予想を下回りました。米卸売上高も前月比0.5%増に止まり市場予想を下回りました。5月の米消費者信用残高も前月比223億5000万ドル増に止まり市場予想を下回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち素材や不動産、資本財・サービスなどの9業種が下げ、素材は1%近く下落しました。一方でヘルスケアと情報技術も2業種が上げています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄ではウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)とダウ(DOW)、ウォルト・ディズニー(DIS)、スリーエム(MMM)が1%以上下げました。一方でユナイテッドヘルス・グループ(UNH)やアメリカン・エキスプレス(AXP)、アップル(AAPL)などが上げ、ユナイテッドヘルス・グループは1%近く上昇しています。ダウ平均構成銘柄以外では、ジーンズ大手のリーバイ・ストラウス(LEVI)が決算で売上高や1株利益が市場予想を上回ったことで1%高となっています。また、主力ハイテク株では電気自動車のテスラ(TSLA)が2%を上回る上昇となっています。
5.為替・金利等
先週末の長期金利は0.09%高い3.08%となりました。ドル円は136円台前半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は先週末の米国市場が小幅に高安まちまちとなり売り材料になりにくいことや、参議院選で自民党が単独で改選過半数を確保し大勝したことから上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が25日移動平均線(先週末時点で26,723円)を上回ることができるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)