東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は米国株高を受けて小幅に続伸となりました。133円高の26,623円で寄り付いた日経平均はしばらく伸び悩みましたが、9時30分過ぎから上げ幅を広げると11時過ぎに391円高の26,881円まで上昇し379円高の26,869円で前場を終えました。
安倍晋三元首相が銃で撃たれたと伝わったことで大きく上げ幅を縮め174円高の26,665円でスタートした後場の日経平均は12時40分過ぎに76円高の26,567円まで弱含んだ後13時10分過ぎに232円高の26,722円まで持ち直しましたが、引けにかけて上げ幅を縮めると結局26円高の26,517円で取引を終えほぼ安値引けとなりました。こうしたなか新興株も高く東証マザーズ指数が上昇となっています。
2.個別銘柄等
住友金属鉱山(5713)が5.2%高となりました。中国のインフラ投資加速で銅需要が増えるとの期待から前日の米国市場で鉱山のフリーポート・マクモラン(FCX)が6%を超す上昇となったことで連想買いが入りました。USEN-NEXT HOLDINGS(9418)も10.8%高となりました。映画やスポーツなどの動画配信サービスが好調だったうえ、契約数が増加した通信事業も伸びたことなどで第3四半期の営業利益が前年同期比7.9%増となり、通期計画に対する進捗率が79.6%となったことで業績の上振れを期待した買いを集めました。
リサイクルショップのトレジャー・ファクトリー(3093)も一時4.0%高となりました。気温の上昇により夏物衣料が好調に推移したことや、記録的な猛暑や新品の供給不足の影響もありエアコンの販売も好調に推移したことなどから6月の既存店売上高が前年同月比12.8%増と高い伸びとなったことで買いが優勢となりました。
一方でセブン&アイ・ホールディングス(3382)が0.7%安となりました。前年に買収した米ガソリンスタンド併設型コンビニ大手のスピードウェイが好調なことに加え、円安の効果もあり通期の営業利益の見通しを4300億円から4450億円に引き上げたことで買いが先行し一時は3.8%高まで上昇しましたが、上方修正した営業利益が市場予想に届かなかったこともあって朝方の買い一巡後に上げ幅を縮めると下落に転じ2.3%安となる場面もありました。キユーピー(2809)も一時8.0%安となりました。値上げした市販用のマヨネーズやドレッシングなどが苦戦したことや、原材料の価格高騰も利益を押し下げたことから上期の営業利益が前年同期比で1.8%減となったことを嫌気した売りが出ました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は26円高となりました。昨日の米国市場が大幅続伸となったことで買いが優勢となり中国が景気対策として巨額のインフラ投資に動くとの観測を受けて一時は391円高まで上昇しましたが、昼休み時間中に奈良市で演説をしていた安倍元首相が銃で撃たれたと伝わったことで後場に入って大きく上げ幅を縮めました。
なお、日本時間の21時30分には6月の米雇用統計の発表があるほか、10日には参議院選挙も行われます。その結果を受けた週明けのマーケットの反応が注目されます。また、2月決算企業の第1四半期決算発表や8月決算企業の第3四半期決算発表が続いていますが本日も引け後には安川電機(6506)やアダストリア(2685)、良品計画(7453)などが決算を発表する予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)