【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 31,037.68 △69.86 (7/6)
NASDAQ: 11,361.85 △39.61 (7/6)
1.概況
米国市場はFOMC議事要旨に新たな材料が乏しかったことでタカ派的な内容を警戒していた投資家が買いを入れ小幅に上昇となりました。10ドル安でスタートしたダウ平均は昼過ぎに172ドル安まで下落しましたが、FOMC議事要旨の公表を受けて持ち直すとプラスに転じ取引終盤には256ドル高まで上昇しました。その後引けにかけて上げ幅を縮めたダウ平均ですが結局69ドル高の31,037ドルで取引を終え反発となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も39ポイント高の11,361ポイントとなり3日続伸となりました。
2.経済指標等
6月開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では次回7月の会合で0.50%か0.75%の利上げが適切になるだろうと判断していたことが分かりました。さらに参加者は政策金利を景気に中立とされる水準(2.5%)以上に引き上げる考えで合意し、高いインフレ圧力が続くなら一段と引き締め的な政策が適切になるとの認識を示していたことが明らかになりました。また、6月の米ISM非製造業景況感指数は55.3と前月から低下しましたが市場予想を上回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち公益事業や情報技術、ヘルスケアなどの8業種が上げ、公益事業は1%高となりました。一方でエネルギーと金融、一般消費財・サービスの3業種が下げ、エネルギーは1%を超える下落となっています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄ではユナイテッドヘルス・グループ(UNH)が2%近く上昇したほか、シスコシステムズ(CSCO)とトラベラーズ(TRV)、マイクロソフト(MSFT)も1%以上上げました。また、アップル(AAPL)とプロクター・アンド・ギャンブル(PG)も1%近く上昇しています。一方でウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)が2%近く下落し、シェブロン(CVX)とゴールドマン・サックス(GS)、ウォルト・ディズニー(DIS)、アメリカン・エキスプレス(AXP)、ボーイング(BA)も1%以上下げています。
ダウ平均構成銘柄以外では、料理宅配サービスのドアダッシュ(DASH)が7%を上回る下落となりました。同業のグラブハブがアマゾン・ドット・コム(AMZN)と提携し米国でアマゾン・ドット・コムの有料会員向けに無料で料理宅配サービスを提供すると発表したことで競争激化を懸念した売りが出ました。料理宅配を手掛ける配車サービスのウーバーテクノロジーズ(UBER)も4%を超える下げとなっています。さらに景気悪化で需要が落ち込むとの見方からクルーズ船株が安くノルウェージャン・クルーズライン・ホールディングス(NCLH)が9%以上下げ、ロイヤル・カリビアン・クルーズ(RCL)とカーニバル(CCL)も7%前後の下落となっています。
5.為替・金利等
長期金利は0.12%高い2.93%となりました。また、2年債利回りは0.19%高い3.01%となり引き続き逆イールドとなっています。ドル円は135円台後半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が朝方の買い一巡後にさらに上値を伸ばすような動きをみせるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)