モトリーフール米国本社、2022年7月3日 投稿記事より

主なポイント

・株式市場の乱高下が続いても平静を保つこと
・厳選して投資すること
・半年先ではなく、長期的視点に立つこと

一流投資家の仲間入りができるかもしれない3つのステップ

今、多くの投資家が株式市場に打ちのめされたように感じていることでしょう。2022年上半期の株式市場は、過去50年以上で最悪の状況を経験しました。ナスダック総合指数とS&P500指数がともに弱気相場に突入する中、重力に逆らうことができた投資家はごくわずかです。 

しかし、打ちのめされて落ち込んでいたとしても、市場から離れる必要は決してありません。次の6ヶ月は、長期的な富の基盤を築く上で重要な時期となる可能性があります。そして、1人でゲームプランを考える必要もありません。以下では、2022年下半期に一流の投資家であれば市場に勝つために行うであろう、3つのステップを紹介します。

1. 平静を保つ

株式市場は、2022年いっぱいは不安定な状態が続くと思われます。大きな値動きにつながる可能性のある要因は複数あります。中でも最大の疑問点は、米国経済がリセッション入りするかどうかでしょう。

市場が不安定になる可能性があるからと言って、自分まで不安定になる必要はありません。一流の投資家は、株価が乱高下している時に平静を保つことの重要性を知っています。

ミューチュアルファンドの先駆者であり、史上最も影響力のある投資家の1人とされるジャック・ボーグル氏は、2018年にCNBCの取材に対し、投資家は常に「航路を守るべき」だと語りました。市場を出たり入ったりしようとすると、「感情に完全に負けてしまう」と同氏は警告しました。ボーグル氏は2019年に亡くなりましたが、同氏のアドバイスは今でも真実味があります。

2. 厳選して投資する

もう1人の伝説の投資家であるウォーレン・バフェット氏の有名な言葉に、「他者が貪欲な時に恐怖心を抱き、他者が恐怖心を抱いている時に貪欲であれ」というものがあります。その言葉通り、バフェット氏率いるバークシャー・ハサウェイはここ数ヶ月の間に、それまで以上に積極的に株式を購入しています。

しかし、バフェット氏は見境なく貪欲なわけではありません。同氏が2022年に入ってから購入したのは16銘柄で、その多くがバリュー株です。例えば、バークシャー・ハサウェイは2022年、パソコン大手HP(HPQ)の株式を大量に取得しましたが、同社の予想株価収益率(PER)は8倍未満でした。

バフェット氏は勝ち組セクター、特にエネルギーセクターにも注目しています。石油大手シェブロン(CVX)は現在、バークシャー・ハサウェイの保有銘柄の中で4番目に大きなポジションとなっています。シェブロンの株価は最近やや反落していますが、年初来の上昇率は依然として20%を上回り、バフェット氏にとって明らかな勝ち組銘柄です。

バークシャー・ハサウェイはまた、別のエネルギー大手オクシデンタル・ペトロリウム(OXY)の株式も大量に購入しています。保有比率は既に16.4%に達し、バフェット氏が買収を目論んでいるのではないかとの憶測も浮上しています。

バフェット氏に倣ってHP、シェブロン、オクシデンタルを買う必要はありませんが、伝説の投資家と同じ考え方を持つことが大切です。下落相場を、優良企業の株式を割安で購入できる機会と捉えるのです。勝ち組になる可能性の高いセクターに注目してみましょう。投資するとしても、投資先を厳選する必要があります。

3. 長期的視点に立つ

月並みな言葉ですが、長期的視点に立つことが重要です。短期的視点しか持たない偉大な投資家というのも、いないわけではありませんが、すぐには思いつきません。

例えば、ヘッジファンドのパーシング・スクエア・ホールディングスを率いるビル・アックマンCEOは、長年にわたり素晴らしい成功を収めています。フォーブス誌によれば、アックマン氏の総資産は28億ドルに上ります。同氏は最近の投資家向け電話会議で、非常に重要なことを語りました。

「我々は、6ヶ月、9ヶ月、あるいは12ヶ月といった時間軸で市場をアウトパフォームすることを目指すトレーディング会社ではありません。我々が探しているのは、数年、場合によっては数十年にわたって保有し続けることのできる企業なのです。」

これは、バフェット氏がバークシャー・ハサウェイの株主に宛てた最新の書簡の中で述べた言葉と同じです。バフェット氏は、自身と、長年のビジネスパートナーであるチャーリー・マンガー氏について言及しながら次のように書きました。

「保有形態にかかわらず、我々の目標は、持続可能な経済的優位性と一流のCEOを持つ企業に有意義な投資をすることです。我々は、長期的な業績見通しに基づいて投資先企業を決めており、市場の変動にタイムリーに反応するための手段とは考えていません。重要な点として、チャーリーと私は銘柄を選んでいるのではなく、優れた事業を選んでいるのです。」

一般の投資家でも、アックマン氏やバフェット氏と同じような視点を持つことをお勧めします。確かに、長期的視点で株式を購入しても、2022年下半期に市場をアウトパフォームできる保証はありません。しかし、長期的視点に基づいて2022年下半期に株式を購入すれば、今後10年以上にわたって市場をアウトパフォームする可能性が大幅に高まるはずです。

免責事項と開示事項  記事は一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。元記事の筆者Keith Speightsは、バークシャー・ハサウェイ(クラスB)の株式を保有しています。モトリーフール米国本社はバークシャー・ハサウェイ(クラスB)とHPの株式を保有し、推奨しています。モトリーフールは以下のオプションを推奨しています。バークシャー・ハサウェイ(クラスB)の2023年1月満期の200ドルコールのロング、バークシャー・ハサウェイ(クラスB)の2023年1月満期の200ドルプットのショート、バークシャー・ハサウェイ(クラスB)の2023年1月満期の265ドルコールのショート。モトリーフールは情報開示方針を定めています。