BTC(ビットコイン)は先日の急落後、一時的に反発しており、徐々に落ち着きを取り戻しています。SNS上では悲観的なコメントが散見され、BTCやETH(イーサリアム)がさらに安値を割り込むと考えている人が多いようです。そろそろ底を打つと見ているのかもしれません。
先週末、ETHのDeFiサービスの1つであるHarmonyが再び1億ドル(約135億円)のハッキング被害を受けました。このニュースでETHは一時的に下げていたものの、最終的には買いが入り、6月25日(土)、26日(日)には高値を更新しました。
マーケットでは、このような悪材料が出てきているにも関わらず、売りが起こらないという現象がしばしば起こります。売られ過ぎの水準であるため、ある程度の悪材料がいくつか出ても下値を拡大させない状況になりつつあると私は感じています。
つまり、短期的には反転を意識したトレードの方が功を成すと考え、トレード戦略を改めつつあります。先週まで売り目線でしたが、今週からは急遽リスクオン方向にトレード戦略を変更したいと思います。
BTC(ビットコイン)はショートカバー狙い、ストップが貯まっているのはどこか
こちらはBTC/JPY日足チャート分析です。
下降トレンドラインまでまだ距離がある状況ですが、300万円手前に引けるレジスタンスラインに何度か接近しています。直近の値動きは大きな押し目を作らず、売る方にエントリー機会を長時間設けている状況になっています。つまり、逆張りする市場参加者が増えているのではないかと思います。
下落トレンドが継続する場合、もう少し鋭角に入ることが多いので、今回はもう一段高を狙った買いトレードが有利だと考えられます。4時間足に落として分析してみましょう。
4時間足に時間軸を落とします。
上昇トレンドラインを右に抜けていることが、少々ネックな程度でしょうか。MACDは既に0.00ラインを少し超えて推移しており、横ばいの展開が続きます。298-300万円のレジスタンスライン後ろにストップロスが多く貯まっていそうです。ここを目がけて今週高値ブレイクを期待し、現在の水準からでも買いエントリーを狙っていきたいと考えています。
ストップは2022年の最安値割れあたりを意識し、次の上値は日足のレジスタンスライン(図表2の黄緑色)の330万円付近を意識した展開を予想しています。この手前あたりから利益確定に動いていくと良いのではないでしょうか。
このレジスタンスラインを越えれば、次は下降トレンドラインとなるでしょう。その場合は日数が経過したことも考慮して、頭の片隅に335-355万円を意識しておくレベルで十分だと思います。
ETH(イーサリアム)は下降トレンドラインに到達もファンダメンタルズが悪い
続いて、ETH/JPY日足チャートです。
ETHの価格は意外にも、日足の下降トレンドラインまで近づきました。ボラティリティが激しく、かつ下落トレンドが急角度であったことが理由と言えるでしょう。BTCよりも形状が良好というわけでもないので、目先この下降トレンドラインと攻防しながら落ち着きどころを探る展開でしょうか。
ETHに限っては今週も見送りとします。DeFi市場でのレンディングサービスやベンチャーキャピタルの焦げつきなどが、毎週どこかで発生している状況です。価格の回復が長引けば長引くほど、投資家の資金引き上げも増加し、ETHの売りにつながりやすい可能性があります。
BTCは反発傾向を意識しながらも、ETHはまだどちらかというと戻り売りを狙ったヘッジ運用で、口座残高をコントロールしていく作戦が良いのではないかと私は考えています。
原油価格も下落傾向にあり、中国景気減速などでインフレがピークアウトする可能性について言及する報道も見られます。そうなると、米国株式市場も久しぶりにリスクオンの買い戻しが入ると思います。私はそのタイミングが7月に訪れ、その恩恵を受けて暗号資産市場も一時的な上昇相場に回帰するのではないかと考えています。