【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 30,677.36 △194.23 (6/23)
NASDAQ: 11,232.19 △179.11 (6/23)
1.概況
米国市場は下げが大きかったハイテクや消費関連株に押し目買いが入り反発しました。87ドル高でスタートしたダウ平均は朝方に232ドル高まで上昇した後伸び悩むとパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が米下院金融サービス委員会でインフレ抑制に向け無条件で取り組むと述べたこともあって昼前にマイナスに転じ189ドル安まで下落しましたが、その後持ち直すとプラスとなり引けにかけて上げ幅を広げました。結局ダウ平均は194ドル高の30,677ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も179ポイント高の11,232ポイントとなっています。
2.経済指標等
先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比2000件減の22万9000件となりましたが市場予想ほど改善しませんでした。6月の米総合購買担当者景気指数(PMI)速報値は51.2と前月から低下し市場予想も下回りました。1-3月期の米経常収支の赤字額は前期比29.6%増の2914億ドルとなっています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち7業種が上げ、公益事業とヘルスケア、不動産が2%以上上昇し、生活必需品も2%近く上げました。一方でエネルギーや素材などの4業種が下げ、エネルギーは3%を超える下落となりました。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄ではセールスフォース(CRM)とメルク(MRK)が3%を超える上昇となったほか、ナイキ(NKE)も3%近く上げました。また、プロクター・アンド・ギャンブル(PG)とベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)、ウォルマート(WMT)、ホーム・デポ(HD)、マイクロソフト(MSFT)、ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)、アップル(AAPL)、ユナイテッドヘルス・グループ(UNH)も2%以上上昇しています。一方でキャタピラー(CAT)が5%近く下げ、シェブロン(CVX)も3%を超える下落となりました。ダウ(DOW)とボーイング(BA)、トラベラーズ(TRV)も2%以上下げています。
ダウ平均構成銘柄以外では、住宅建設大手のKBホーム(KBH)が決算で売上高と1株利益が市場予想を上回ったことで8%を超える上昇となっています。ビッグデータ保管や分析を手掛けるスノーフレイク(SNOW)も投資判断の引き上げを受けて12%以上上げています。
5.為替・金利等
長期金利は0.07%低い3.09%となりました。ドル円は円高に振れ134円台後半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株高を受けて堅調なスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が朝方の買い一巡後にさらに上値を伸ばすことができるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)