東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は続落となりました。193円高の26,156円でスタートした日経平均は寄り付きを高値に上げ幅を縮め取引開始から10分余りでマイナスに転じ下げ幅を広げると前引け間際に442円安の25,520円まで下落し428円安の25,534円で前場を終えました。395円安の25,567円でスタートした後場の日経平均は12時40分過ぎに245円安の25,717円まで戻した後14時過ぎに335円安の25,627円まで下げ幅を広げましたが、引けにかけて持ち直すと結局191円安の25,771円と後場の高値で取引を終えています。こうしたなか新興株も安く東証マザーズ指数が下落となり5月12日に付けた年初来安値を更新しています。

2.個別銘柄等

三菱自動車工業(7211)が一時3.4%高となりました。資源高や円安により高騰する原材料価格を転嫁し、今秋にプラグインハイブリッド車(PHV)のアウトランダーPHEVの2モデルを値上げすると伝わったことで収益の改善を期待した買いが入りました。マツダ(7261)も小型車のマツダ3とSUVのCX―30の車両本体価格を引き上げると伝わったことで一時1.9%高となりましたが、朝方の買い一巡後に上げ幅を縮めマイナスに転じると0.4%安で取引を終えています。日本航空(9201)も3.4%高となりました。政府の水際対策の緩和で国際線が想定を上回る回復をみせていることから赤坂社長が7月に本業のもうけを示す損益が単月で黒字に転じる見通しを明らかにしたことで買いが優勢となりました。ANAホールディングス(9202)にも買いが波及し一時2.7%高となる場面もありました。

また、目標株価の引き上げを受けて買われたのが東映アニメーション(4816)やスクウェア・エニックス・ホールディングス(9684)で、東映アニメーションが一時5.4%高となり、スクウェア・エニックス・ホールディングスも3.1%高となっています。

一方で原油価格が大幅安となったことから石油関連株が安く、INPEX(1605)が9.4%安、石油資源開発(1662)が8.1%安、出光興産(5019)が7.1%安、ENEOSホールディングス(5020)が5.1%安、コスモエネルギーホールディングス(5021)も4.6%安となりました。資源価格の下落を受けて大手商社株も下げが目立ち丸紅(8002)が6.6%安、三井物産(8031)が5.1%安、三菱商事(8058)も4.3%安となりました。グロース株への売りが続くなか半導体関連株の下げも目立ち東京エレクトロン(8035)が5.2%安、レーザーテック(6920)が4.4%安、SCREENホールディングス(7735)が5.2%安、ディスコ(6146)も4.4%安となり、東京エレクトロンとレーザーテック、SCREENホールディングスは年初来安値を更新しています。さらに暗号資産のビットコインの価格が18日に一時2万ドルの節目を割ったことから仮想通貨の交換業者に出資しているセレス(3696)が一時3.2%安となり年初来安値を更新したほか、東証スタンダード市場では子会社が仮想通貨の交換事業を手掛けるリミックス(3825)も13.6%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は191円安となりました。16日の反発を挟んで先週末までの6日間で2,300円近くも下げていた反動で買いが先行しましたが、寄り付きを高値に伸び悩むとマイナスに転じ下げ幅を広げ一時は400円以上下落する場面もありました。節目の25,500円を前に下げ渋ると後場に入って下げ幅を縮めましたが、200円近い下落となったことから上値の重さとともに下値への警戒感も意識されそうです。しかし、25日移動平均線(27,043円)との乖離率がマイナス5%近くまで広がり短期的に売られ過ぎとなっていることもあり明日以降の自律反発に期待したいところです。なお、今晩の米国市場は奴隷解放記念日(ジューンティーンス)の祝日で休場となります。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)