【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 31,392.79  ▼880.00 (6/10)
NASDAQ: 11,340.02  ▼414.20 (6/10)

1.概況

先週末の米国市場はCPIの伸びが市場予想を上回ったことで米連邦準備理事会(FRB)が積極的な金融引き締めを続けるとの見方が強まり大幅に3日続落となりました。219ドル安でスタートしたダウ平均は大きく下げ幅を広げ昼過ぎに850ドル安程度まで下落した後一旦下げ渋りましたが、その後も安値圏で推移すると引けにかけてやや下げ幅を広げ結局880ドル安の31,392ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も414ポイント安の11,340ポイントとなっています。

2.経済指標等

5月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比8.6%上昇と4月から伸びが加速し、1981年12月以来40年5ヶ月ぶりの高い伸びとなり市場予想も上回りました。前月比も1.0%上昇と4月から伸びが加速し市場予想を上回っています。また、6月の米ミシガン大学消費者態度指数速報値は50.2と前月から低下し過去最低となり市場予想も下回りました。5月の米財政収支は660億ドルの赤字となり、赤字額は市場予想を下回っています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は11業種全てが下げました。そのなかでも一般消費財・サービスが4%を超える下落となり、情報技術も4%近く下げています。また、金融と素材も3%以上下落し、資本財・サービスとコミュニケーション・サービスも3%近く下げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄はウォルマート(WMT)を除く29銘柄が下げました。そのなかでもダウ(DOW)が6%余り下げ下落率トップとなったほか、ゴールドマン・サックス(GS)とボーイング(BA)も5%以上下げています。また、セールスフォース(CRM)とJPモルガン・チェース(JPM)、スリーエム(MMM)、マイクロソフト(MSFT)、アメリカン・エキスプレス(AXP)も4%を超える下落となり、アップル(AAPL)も4%近く下げています。ダウ平均構成銘柄以外では主力ハイテク株の下げが目立ちアマゾン・ドット・コム(AMZN)とネットフリックス(NFLX)が5%を超える下落となり、フェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ(META)も4%を上回る下げとなりました。グーグルの持ち株会社であるアルファベット(GOOGL)と電気自動車のテスラ(TSLA)も3%以上下落しています。半導体株も安くエヌビディア(NVDA)が6%近く下げ、マイクロン・テクノロジー(MU)も5%余り下落しています。アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)とウエスタンデジタル(WDC)も4%以上下げています。

5.為替・金利等

先週末の長期金利はCPIが市場予想を上回りFRBが積極的な金融引き締めを続けるとの見方が強まり0.12%高い3.16%となりました。ドル円は134円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株安を受けて大きく下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は節目の27,500円を割り込みそうですが、朝方の売り一巡後に下げ渋るような動きをみせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)