中国株は全般的に下落基調が続いています。中国本土株は下落基調が続いており、上海総合指数は昨年末につけた2132.626の安値に近接するところまで下落しています。香港H株指数は下がってはいないものの株価は底を這う動きとなっています。現在の焦点は毎年7月下旬に行われる中国の年央経済会議です。この会議で新たな景気刺激策が発表されるのではないかとの期待が寄せられており、会議終了後に預金準備率の引き下げなどの緩和策が発表されると予想もあります。ただ、もしも年央経済会議後に期待通りの刺激策が発表されなければ、株価は一段の下落となる可能性がありますので注意が必要でしょう。

その他の大きなニュースとしては2つあります。1つは中国証券当局が本土優良株への投資を推奨したことです。中国証券監督管理委員会(CSRC)は2012年7月13日にウェブサイトに掲載したインタビューで、銀行株が最近不安定な動きをしているというだけの理由で、投資家は優良株を見放すべきではないと述べています。優良銘柄は最高の投資機会を生み出しているとし、セクター別では銀行株の投資妙味を強調しています。ちなみに、CSRCは2月にも郭樹清主席が上海・深セン上場の300銘柄によって構成されるCSI300指数が市場参加者にとって「極めてまれな投資機会」となっていると述べていましたが、証券当局がこのような姿勢を明らかにしているということは、長期的な中国株の展望にとってプラスではないでしょうか。

もう1つのニュースは、中国中央政府が地方政府に対して住宅市場の引き締め策を維持することで不動産価格の反発を防ぐようにと緊急政府通達で伝えたと、国営の中国証券報が報道したことです。国家統計局が発表した中国70都市の6月の平均不動産価格は前月比+0.02%となっており、2011年10月以降続いた8カ月連続の下落が止まったところです。中国では2年間以上に及ぶ中央政府の不動産引き締め策によって不動産価格が下落し、最近になっていくつかの地方政府はその下支えを図る動きに出ていたところで、不動産市況の底入れを期待する向きもあっただけに、今回の発表は失望となり、今回の報道後、中国本土市場の不動産関連株は総じて下落しています。