今週(5月27日~6月2日)の相場動向
相場回顧 BTC:トロンのDeFi人気急上昇を受けて一時的に買いが強まる
ビットコインは、話題のMove2Earnゲーム「STEPN(GMT)」のトークン価格が中国規制などの影響で大きく下落するなか、一時はBTC=364万円(28000ドル)付近まで価格を下げたが、米国株の買い戻しが優勢となっていたこともあり、底堅く推移した。テラ騒動が世界的に問題視されるなかで、同じ高利回りを謳ったトロン(TRX)ブロックチェーン上のレンディングサービスが人気を集め、トロン(TRX)がDeFiの預け入れ総額ランキングでイーサリアム(ETH)、バイナンスチェーン(BNB)に次ぐ第3位に急浮上した。これを受けてビットコインも連れ高し、一時はBTC=416万円(32000ドル)付近まで上昇した。しかし、トロン(TRX)上で主に流通するステーブルコインUSDDはテラUSDの模倣であるとの懸念もあり、買いは長続きせず、たちまちBTC=390万円(30000ドル)を割り込むまでに下落した。米長期金利の上昇を受けて米国株が下落したことも嫌気された。
来週(6月3日~6月9日)の相場予想
BTCはイベント内での大きな発表に期待、ETHアップデートも控える
来週も金融市場では重要な経済イベントと経済指標の発表を控える。ECB理事会では、ラガルド総裁の発言によって金融引き締めの強化が示唆されるかに注目が集まる。市場では7月の利上げが予想されているが、ドイツの5月消費者物価指数が過去最高に達するなど、欧州のインフレも急速に進む中で、今後の大幅利上げ観測が高まる恐れはある。米5月消費者物価指数の発表もあり、これらの内容を受けて世界的な金融引き締めが意識されることで市場全体の売りが強まることは考えられるだろう。
暗号資産市場では大手メディアのコインデスクが主催する大型イベント「Consensus 2022」が米国で開かれる。FTXやバイナンス、ペイパルなど暗号資産関連の主要企業がスピーカーとして数多く参加するため、イベント内での大きな発表が期待される。イベントを機にテラ騒動後に悪化していた市場センチメントが改善に向かえば買いが戻ることも考えられるだろう。また、イーサリアムのPoS移行に向けたアップデートも予定されており、実装が無事に終わればイーサリアム主導で価格が伸びる可能性もあるだろう。
直近上値としてはBTC=416万円(32000ドル)、下値としてはBTC=364万円(28000ドル)を意識する。