初心者の方が投資を始めるにあたり、「いま始めてもいいのだろうか?」「どのような投資をするといいのか?」「どのような商品に投資するといいのか?」という質問や「投資をしたほうが良いとは聞くけど、やはり怖い」といった声をよく聞きます。
投資を始めるにあたり、「損をするのが怖い」という心理的なことが、意外と大きなハードルになるのです。とはいえ、やはり今の時代、資産形成に投資を取り込まないわけにはいきません。では、どのように考えると落ち着いて投資を始められるでしょうか。
投資には2種類ある
まず知ってほしいのは、投資には2種類あるということです。1つは、労力や多くの知識が必要な投資で、成果にも差がでます。もう1つは手間をかけずとも、毎月コツコツ続けることで、10年、20年後といった長期的視点でみると、ほとんどといって良いほど安定的な成果を出す投資です。
投資を迷っている人には、後者の「労力も知識もさほど必要ではなく、安定的な成果を出す投資」をおすすめします。
例えば、個別企業への株式投資や外貨、暗号資産の取引をすることはリスク(不確実性)が高く、たくさんの労力と知識が必要になります。その割に、資産を減らす結果になることも多く、このような投資が「投資は怖い」というイメージを作っているのだと思います。
一方で、労力も知識もさほど必要ではない投資とは、インデックスファンドという「投資信託」を対象にした長期的な積立投資のことです。銀行の預金金利より高い利回りが期待でき、時間をかければかけるほど、複利の力でお金を大きく膨らませることができます。そのため、初心者には貯金を積み立てる効果もありながら、投資の要素も入るような、お金を着実に増やしていける投資がおすすめです。
時間を味方につけ、一喜一憂しない
労力も知識もさほど必要ではない投資では、短期間で資産を2倍、3倍に増やすことはできません。来年には億り人になるという期待もできません。一獲千金を期待できる投資手法ではないからです。
ただ「時間」を味方につけ、シンプルに習慣として積み立てを続けていけば、初心者でも成功する可能性は高い投資です。例えば毎月、3万円を20年間積み立てたとして、もし年間3%のリターンを得られると仮定したら、貯金のように積み立てた元本は720万円、利益は約265万円となり、総額985万円ほどになることがイメージできます。
イメージ、と表現するのは、途中で相場が上がったり下がったりと波があるためです。しかし、長期的に資産は増えていくことが十分見込めます。
投資信託自体、1つの商品の中に数十~数千の様々な銘柄を含んでいるので、分散投資がされています。商品を組み合わせればさらに分散ができますし、積み立てることで、時間の分散も図れます。これで手数料や信託報酬が低コストであれば、低リスクでゆっくりと資産を増やしていけるでしょう。
そのため、相場の動きに一喜一憂する必要はありません。ある意味ほったらかしで、将来のお金を作る仕組みだと考えていて良いでしょう。自分の、資産形成の土台を作る投資になります。
投資で豊かな生活を手に入れよう
投資は、豊かで幸せな生活を手に入れるための「手段」の1つです。しかも、今すぐに手に入れるのではなく、老後など、お金が必要な時に備えることが目的です。
そのため、初心者の方が働きながら日常生活を送り、その上で投資を始めるのであれば、労力があまりかからず、仕事にも打ち込める、ほったらかしでできる投資が良いのです。
ネット証券ならばコストも安く、いつでも成果を確認できるので、効率の良い投資ができるでしょう。100円からという低額で始められるネット証券もありますから、投資に対して警戒心がある方は、数千円で良いので少額からでも試してみるのが良いと思います。
時間が経てば、わずかでも資産が増えていることを感じられるでしょうし、安心できれば、徐々に金額を増やすことも考えられるかもしれません。
つみたてNISA、iDeCoなどの税優遇制度があることも、投資をおすすめしたいポイントの1つです。国も国民の資産形成のために、さほど労力や知識を要しない投資を促しています。
投資を始めるにはもちろん、家計を強くしておくことが大前提ですが、家計を整え、投資を始めることで、将来の豊かで幸せな生活を実現してほしいと願っています。