毎週月曜21時から開催している「広木隆のMonday Night Live」でいただいたご質問のうち、セミナー内で回答しきれなかったご質問に広木隆が回答いたします。回答対象とするご質問は、サイトへの掲載を考慮して選択採用とさせていただきます点についてご了承くださいますようお願いいたします。

Q.FRBによる量的引き締めの手法とマーケットへの影響

ダン・ミネ様からのご質問

FRBは6月からQT(量的引き締め)を開始するようですが、保有債券をどういった手法で売却するのでしょうか。

マーケットにはどの程度影響するのでしょうか。

回答

毎月の減額のキャップを当初は300億ドルに設定し、3ヵ月後の9月には毎月600億ドルまで引き上げます。エージェンシー債・MBSについては、毎月の減額のキャップを当初は175億ドルに設定し、3ヵ月後の9月には毎月350億ドルまで引き上げます。減額ペースは前回QT時のほぼ倍のスピードです。

買入れた資産を削減する方法は、大きく3つあります。

①債券が満期を迎え償還される際に、その償還分だけ保有資産の削減を進める方法
②償還分の一部を再投資することで、緩やかに保有資産の削減を進める方法
③満期前の資産を売却することで、より早期に資産圧縮を進める方法

前回は、②の方法が選択されましたが、今回は、前回と比べて倍のペースでQTを行う計画ですので、おそらく①か③の可能性が高いのですが果たしてどうでしょうか。

QTは米国債券市場では需給バランスからみれば当然売り材料となり金利上昇要因になります。ただし、すでに市場は織り込んでいるので、実際には長期金利は上がらないと考えています。

Q.メドピアなどヘルステック関連銘柄の下落は続きますか?

Tet様からのご質問

メドピアが下落の一途です。アンジェスみたいになってしまうのでしょうか?心配です。ご意見をお願いします。

回答

エムスリー(2413)などに代表されるヘルステックは米国の金融引き締めでグロース株が売られる流れでずっと下落が続いています。ただし、米国の金利上昇もそろそろ9合目と思いますので、そろそろグロース株下落の潮目が変わると思います。

メドピア(6095)はPER20倍台まで下がりましたのでそれほど割高感もありません。事業領域は医療DXでオンライン診療やオンライン服薬指導の規制緩和が進んでいます。

来年には電子処方箋の運用が始まる予定のほか、24年度からは医師の残業時間に上限規制が設けられるなど、医療機関のデジタルツールの普及拡大が期待されており、将来は有望と見ています。

Q.低迷している5G関連銘柄の今後の見通しは?

とし様からのご質問

5G関連でもてはやされたコムシス(1721)やエクシオ(1951)が格下げ等で株価が大きく低迷しています。

見通しは如何でしょうか?

回答

通信工事会社は5G関連の施設が一巡すると材料がなくなります。5G関連は、工事などのハード関連よりも通信速度の向上で得られる技術革新のソフト面を重視するべきでしょう。

Q.住友林業の株価がさえない理由とは?

ntoshi様からのご質問

住友林業(1911)はいい企業だと思いますが売られ続けています。

何か売られる理由があるのでしょうか?

回答

米国の住宅が好調なため前期は過去最高益となりましたが、その米国の住宅市場は住宅ローン金利上昇で今後、冷え込んでくると思われます。

加えてインフレの高まりで材木価格が高騰する「ウッドショック」の影響もあります。

これらを反映して同社の株価は2020年12月以来およそ1年5カ月ぶり安値まで下がっています。

Q.復配を発表した日産自動車の今後の見通し

ゴニル様からのご質問

復配を発表した日産自動車の株価の今後の見通しを教えてください。

回答

日産(7201)はようやく黒字転換し復配となりましたが、肝心の自動車事業そのものはまだ赤字です(黒字は金融の利益)。

提携先のルノーがロシアのエクスポージャーを持っているのも、日本企業の中では数少ないロシア関連ネガティブ銘柄と印象をもたれかねません。

ただ何と言っても自動車メーカーは円安の業績上方修正期待があります。

Q.今後不動産価格は上昇しますか?

戦争終われ様、ほったらかし株価5倍様からのご質問

■株価は日米とも調整というか下落しているのですが、不動産(マンション価格)は下がっていません。特に、現在住んでいる札幌のマンション価格は、新幹線やらオリンピックやらで値上がりしています。このマンション高騰は続きますか?(戦争終われ様)

■今後、不動産関連の株価は上がりますか?(ほったらかし株価5倍様)

回答

不動産にとっての逆風は金利上昇です。ところが日本は世界で唯一、金利が上がらない国です。つまり世界の中で、日本の不動産の環境はすごく良い。

日本はコロナ感染者もけた違いに少なく、衛生的で物価も安い。住環境としては天災(地震・火山噴火)リスクを除けば最高です。

そこに加えて、この円安です。海外から見れば日本の不動産はすごく「お買い得感」があるように映るでしょう。

実際に海外の投資家から日本の不動産市場へ巨額の資金流入が続いています。


このコーナーでは、毎週月曜夜21時から開催している「広木隆のMonday Night Live」でいただいたご質問のうち、セミナー内で回答しきれなかったご質問にチーフ・ストラテジストの広木隆が回答いたします。

今回は2022年5月16日のセミナーで寄せられたご質問から抜粋して回答しています。

回答対象とするご質問は、サイトへの掲載を考慮して選択採用とさせていただきます点についてご了承くださいますようお願いいたします。

 

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