【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 31,253.13  ▼236.94 (5/19)
NASDAQ: 11,388.50  ▼29.66 (5/19)

1.概況

米国市場はインフレが企業業績を圧迫することを懸念した売りが続き続落となりました。227ドル安でスタートしたダウ平均は朝方に473ドル安まで下落した後下げ渋ると取引終盤にプラスとなる場面もありましたが、79ドル高で伸び悩むと引けにかけて再びマイナスとなり下げ幅を広げました。結局ダウ平均は236ドル安の31,253ドルで取引を終え前日に続いて年初来安値を更新しています。

また、S&P500株価指数も22ポイント安の3,900ポイントとなりこちらも前日に続いて年初来安値を付けたほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も29ポイント安の11,388ポイントとなっています。

2.経済指標等

先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比2万1000件増の21万8000件となり市場予想を上回る悪化となりました。5月の米フィラデルフィア連銀製造業景況指数も2.6と前月から低下し市場予想を下回りました。4月の米景気先行指標総合指数も前月比0.3%低下し市場予想を下回っています。さらに4月の米中古住宅販売件数も年率換算で前月比2.4%減の561万戸となり市場予想を下回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち8業種が下げ、生活必需品が2%近く下落し、情報技術も1%余り下げました。また、資本財・サービスも1%近く下落しています。一方で素材とヘルスケア、一般消費財・サービスの3業種が上げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄中24銘柄が下げました。そのなかでもシスコシステムズ(CSCO)が決算で5‐7月期の売上高が市場予想に反して減少するとの見通しを発表したことで13%を超える下落となりました。また、トラベラーズ(TRV)も3%近く下げたほか、ウォルマート(WMT)とナイキ(NKE)、IBM(IBM)、アップル(AAPL)、プロクター・アンド・ギャンブル(PG)も2%以上下落しています。一方でユナイテッドヘルス・グループ(UNH)とボーイング(BA)が1%を超える上昇となっています。

ダウ平均構成銘柄以外ではハーレーダビッドソン(HOG)がサプライヤーから部品に規制順守に絡んだ問題が生じたとの連絡を受けたことですべてのバイクの組み立てと出荷を2週間停止すると発表したことで9%以上下げています。さらに取引終了後に決算を発表した半導体製造装置のアプライドマテリアルズ(AMAT)は売上高が市場予想を下回ったことから時間外で下げています。

5.為替・金利等

長期金利は0.04%低い2.84%となりました。ドル円は127円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株安を受けて軟調なスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が下げ渋り切り返すような動きをみせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)