【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 32,899.37  ▼98.60 (5/6)
NASDAQ: 12,144.66  ▼173.03 (5/6)

1.概況

先週末の米国市場は米雇用統計を受けてインフレへの警戒感が強まり続落となりました。224ドル安でスタートしたダウ平均は朝方に523ドル安まで下落した後持ち直すとプラスとなる場面もありましたが、前日終値を小幅に上回ったところでは上値が重く伸び悩むと結局98ドル安の32,899ドルで取引を終えています。また、S&P500株価指数が23ポイント安の4,123ポイントとなり4月29日に付けた年初来安値(4,131ポイント)を更新したほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も173ポイント安の12,144ポイントとなり前日に続いて年初来安値を付けています。

2.経済指標等

4月の米雇用統計で非農業部門雇用者数は前月比42万8000人増となり市場予想を上回りました。また、失業率は前月から横ばいの3.6%となりました。平均時給は前年同月比5.5%上昇し前月の5.6%上昇から伸び率が低下したものの引き続き高い伸びとなっています。さらに3月の消費者信用残高は前月比523億3000万ドル増となり市場予想を上回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち9業種が下げ、素材とコミュニケーション・サービス、一般消費財・サービス、不動産が1%以上下落しました。一方でエネルギーと公益事業の2業種が上げ、エネルギーは3%近く上昇しています。

4.個別銘柄動向

インフレが消費を冷やすとの見方から消費関連株の売りが目立ちダウ平均構成銘柄ではナイキ(NKE)が3%を超える下落となり下落率トップとなったほか、アメリカン・エキスプレス(AXP)とウォルマート(WMT)、ウォルト・ディズニー(DIS)も2%以上下げています。一方で原油価格の上昇を受けてシェブロン(CVX)が2%以上上げ上昇率トップとなっています。ダウ平均構成銘柄以外では決算が最終赤字となったアンダーアーマー(UA)が26%近く下げています。また、主力ハイテク株も下落が目立ち動画配信のネットフリックス(NFLX)が4%近く下げたうえ、フェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ(FB)も2%以上下落しています。

5.為替・金利等

先週末の長期金利は米雇用統計を受けてインフレ懸念が強まり0.10%高い3.14%となり2018年11月以来の高水準となりました。ドル円は130円台半ばで推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が朝方の売り一巡後に下げ渋り底堅さをみせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)