【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 32,977.21 ▼939.18 ( 4/29 )
NASDAQ: 12,334.64 ▼536.89 ( 4/29 )
1.概況
4月28日の米国市場は決算を発表したメタ・プラットフォームズ(FB)の急伸を受けてハイテク株に買いが広がり上昇となりました。124ドル高でスタートしたダウ平均は伸び悩むと朝方にマイナスに転じる場面もありましたが、53ドル安で下げ渋るとプラスとなり上げ幅を大きく広げる展開となりました。取引終盤に752ドル高まで上昇したダウ平均は引けにかけて上げ幅を縮めたものの結局614ドル高の33,916ドルで取引を終え続伸となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も382ポイント高の12,871ポイントと3日ぶりに反発となっています。
先週末の米国市場は赤字決算を発表したアマゾン・ドット・コム(AMZN)の急落が他のハイテク株にも波及し大幅反落となりました。129ドル安でスタートしたダウ平均は朝方にプラスとなる場面もありましたが3ドル高で上値が押さえられるとマイナスとなりその後は下げ幅を大きく広げる展開となりました。引け間際に1,003ドル安まで下落したダウ平均は結局939ドル安の32,977ドルで取引を終え3日ぶりに反落となっています。また、ナスダック総合株価指数も536ポイント安の12,334ポイントと反落となり4月27日に付けた年初来安値(12,488ポイント)を更新しています。
2.経済指標等
28日に発表された米新規失業保険申請件数は前週比5000件減の18万件となり市場予想と一致しました。また、1-3月期の米GDP速報値は年率換算で前期比1.4%減とマイナス成長となり市場予想を下回りました。
先週末に発表された1-3月期の米雇用コスト指数は前期比1.4%上昇し市場予想を上回りました。3月の個人消費支出(PCE)も前月比1.1%増となり市場予想を上回りました。米個人所得も前月比0.5%増となり市場予想を上回っています。一方で4月のシカゴ購買部協会景気指数(PMI)は58.5と前月から低下し市場予想を下回りました。4月の米ミシガン大学消費者態度指数確報値も65.2と速報値から下方修正され市場予想を下回りました。
3.業種別動向
28日の業種別S&P500株価指数は11業種全てが上げました。そのなかでも情報技術が4%高となったほか、コミュニケーション・サービスも4%近く上昇しました。エネルギーも3%以上上げ、一般消費財・サービスも2%を超える上昇となっています。
先週末の業種別S&P500株価指数は11業種全てが下げました。そのなかでも一般消費財・サービスが6%近く下落したほか、不動産と情報技術も4%を上回る下げとなっています。また、コミュニケーション・サービスと金融、公益事業も3%以上下落しました。
4.個別銘柄動向
28日の米国市場では決算で1株利益が市場予想を上回ったフェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズが17%を超える上昇となりました。メタ・プラットフォームズの急伸が他のハイテク株にも波及し動画配信のネットフリックス(NFLX)が6%近く上昇し、アマゾン・ドット・コム(AMZN)とアップル(AAPL)も4%以上上げました。グーグルの持ち株会社であるアルファベット(GOOGL)も3%を上回る上昇となっています。半導体株も高くクアルコム(QCOM)が9%以上上げ、エヌビディア(NVDA)も7%を超える上昇となりました。アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)とマイクロン・テクノロジー(MU)、ウエスタンデジタル(WDC)も5%以上上げています。また、増収増益の決算を発表し通期の業績見通しを引き上げたメルク(MRK)が5%近く上昇しています。一方で決算が減益だったバイオ製薬のアムジェン(AMGN)が4%以上下げ、ダウ平均構成銘柄で下落率トップとなっています。
先週末の米国市場では1-3月期の最終損益が7年ぶりの赤字となったアマゾン・ドット・コムが14%安となりました。また、決算で4-6月期の売上高の見通しが市場予想を下回ったインテル(INTC)も7%近く下げダウ平均構成銘柄で下落率トップとなったほか、アップル(AAPL)は決算で売上高などが市場予想を上回ったもののサプライチェ-ンの混乱で4-6月期に40億-80億ドルの減収が見込まれるとの見方を示したことから3%を超える下落となっています。さらに他の主力ハイテク株も下げが目立ちマイクロソフト(MSFT)と動画配信のネットフリックス(NFLX)が4%以上下げ、グーグルの持ち株会社であるアルファベット(GOOGL)も3%を上回る下落となりました。半導体株も安くエヌビディア(NVDA)が6%以上下げ、クアルコム(QCOM)も5%を超える下落となりました。アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)も4%以上下げています。一方で決算が市場予想を上回ったハネウェル・インターナショナル(HON)が2%近く上げ、ダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなっています。
5.為替・金利等
28日の長期金利は0.01%低い2.82%となりました。先週末の長期金利は0.11%高い2.93%となっています。ドル円は130円近辺で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
米国市場でダウ平均は28日に大幅続伸となったものの、先週末に大幅反落となり2日間トータルでは324ドル安となっていることから本日の日本市場は下落してのスタートが予想されます。明日からの3連休を控え積極的に動きにくいなかで日経平均が下げ渋り底堅さをみせるかがポイントとなりそうです。
( マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)