今回はYouTubeチャネル「とも米国株投資チャンネル」を運営するともさんにインタビューしました。ともさんはFXや日本株から投資を始め、米国赴任を機に米国株投資をスタート。個別株投資をメインに、着々と資産を増やしています。ともさんに、これまでの投資経験、今注目している銘柄やセクター、失敗から得た学び、お金とのと付き合い方などを伺いました。
●ともさんプロフィール●
米国在住の個人投資家。YouTube「とも@米国株投資チャネル」で米国の最新ニュースや米国企業の決算情報などを配信するほか、オンラインコミュニティも主宰。
――ともさんが投資を始めた経緯を教えてください。
親が投資をしていたこともあり、子どもの頃から投資は身近な存在でした。新卒で入社した会社にも、投資の話をしてくれる先輩がいました。ですから、10年ほど前に投資を始めたのは自然な流れだったように思います。最初は日本株とFX(外国為替証拠金)取引をしていました。日本株は主に高配当銘柄を買っていました。
――その後、投資先を米国株に広げていかれたのでしょうか。
米国株投資を始めたのは仕事で米国に住むようになってからです。当時は投資家のブログなどを見ていてもインカムゲイン投資が主流だったので、日本に進出している企業とか、身近なところから調べていって高配当の個別銘柄に投資しました。しかし、配当狙いだからと日々の株価の値動きにそれほど注意を払わずにいたら、含み損があることに気づくのが遅れてしまって…。「これはまずいな」と思い、現在のようなアルファベット(GOOGL,GOOG,)、アマゾン(AMZN)、メタ・プラットフォームズ(FB)、アップル(AAPL)、マイクロソフト(MSFT))などのハイテク・グロース株への投資に切り替えました。
――ずっと個別株投資をメインにしてきたのはなぜですか。
日本の個別株から投資を始めたこともあり、「投資=個別株」だと思っていたんです。インデックス投資とか、ETF、投資信託(投信)というのは当時全く思い浮かびませんでした。
流行りの株やほったらかし投資で失敗後は、投資先を長期と短期で分けて管理
――投資で失敗した経験はありますか。
昨年SNSなどの情報拡散で急騰するミーム株(流行りの株)が話題になりましたが、私も投機性の高い銘柄に手を出して、買った翌日に30%値下がりして焦ったことがあります。
他にも、「ほったらかし投資」に失敗したこともありました。インカムゲイン狙いだったので配当さえ入ってくればいいやとのんびり構えていたら、株価が購入時より値下がりしていて、結果的に数年保有したのに配当を合わせても収支はトントンに…。しっかり値動きを見ていれば違う銘柄に乗り換えられたのに、と後悔しましたね。
――投資期間や売買のタイミングについてはどうお考えですか?
今は毎日マーケット状況を見ていますし、保有銘柄については長期のスタンスであっても最低週1回は値動きをチェックするようにしています。投資先は長期と短期で分けていて、今保有している6銘柄も、長期で持ちたいと考えているものと、1年以内に決済するつもりのものがあります。また、長期投資と言っても結果的に長期保有ができたらいいなという程度で、最初から長期でガッチリ持つと決めているわけではありません。状況を見ながら、臨機応変に対応しています。
投資先はハイテク・グロース株が中心
――ここ数年間、米国では政権交代やコロナ禍など目まぐるしい変化が起きていますが、ともさんが今注目されている米国株やセクターを教えていただけますか。
今の投資先はハイテク・グロース株が中心なので若干偏りがあるかもしれませんが、大型株だとテスラ(TSLA)、エヌビディア(NVDA)、アルファベット(GOOGL, GOOG)、マイクロソフト(MSFT)等です。
電気自動車が本格的に普及していくのは2025年、2030年とまだまだ先の話で、今はほんの序盤戦です。業界のリーダーであるテスラの株価が電気自動車の普及度と相関するとは限りませんが、私はテスラの株価の上昇率は高くなるのではないかと考えています。
半導体のエヌビディア(NVDA)は、5G(第5世代移動通信システム)、IoT(モノのインターネット)の時代に欠かせない存在ですし、経済全体や製造業の動向を見ていても、半導体事業は今後も成長の鍵を握るのではないかと思います。
アルファベットとマイクロソフトについては、GAFAMの2022年1月下旬に発表された決算では最高益を更新するなど飛び抜けて数字が良く、コロナ禍による社会のデジタル化浸透の恩恵を大きく受けている印象です。
――ハイテク大型株以外はどうでしょう?
中型株では、サイバーセキュリティのクラウドストライク・ホールディングス(CRWD)。ロシアによるウクライナ侵攻の前にサイバー戦争が意識された際は、セキュリティ関連の銘柄が急騰しました。サイバーセキュリティの必要性は今後ますます高まるという観点からも注目しています。
投資会社バークシャー・ハサウェイを率いるカリスマ投資家のウォーレン・バフェット氏が保有することでも知られるスノーフレイク(SNOW)にも着目しています。これからの時代はデータをいかにして活用するかがポイントになります。同社は、クラウド上でのビッグデータの保管、分析といった重要な業務を担っており、フォーチュン500(全米総収入上位500社)の半数近くを顧客にしています。
そして、これから新型コロナウイルスの感染が収束し、夏に向かう季節に盛り上がるのが旅行業界ではないでしょうか。個人的にも旅行が好きなので見ているだけでも楽しいセクターですが、その中で注目しているのがデルタ航空(DAL)とクルーズ会社のカーニバル(CCL)です。
ただ、デルタ航空は需要が復活しても原油高による燃油サージャージの高騰が業績の頭を抑さえる可能性があります。その点、クルーズ船も燃料費は必要ですがジェットエンジンほどではないでしょうから、カーニバルの方が影響は限定的かと思います。
高騰するエネルギー関連ではエクソン・モービル(XOM)、シェブロン(CVX)といった大手企業もウオッチしていますが、コモディティは難しい面もあり、個別株よりもETFの方が検討しやすいのではないかと考えています。
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※本インタビューは2022年3月23日に実施しました。
※本内容は、個人の経験に基づく見解であり、当社の意見を表明するものではありません。