台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング(TSM)決算:一株利益はドルで市場予想を上回る

台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング・カンパニー(TSMC)は、58%超の市場シェア(2020年現在。調査会社Gartnerによる。)を有する世界最大級の半導体ファウンドリである。1987年にフィリップス、台湾政府、プライベート市場の投資家により合弁会社として設立された。1997年に米国市場にADRを上場し、公開企業となった。

競争の激しいファウンドリ事業においても、スケーラブルで高度なテクノロジーを有することで高い営業利益率を維持している。また、業界全体がファブレス・ビジネスモデルへ移行していることも追い風となっている。ファウンドリのリーダー的企業であり、半導体の設計に最先端のプロセス技術を求めるアップル、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)、エヌビディア(NVDA)など、強固な顧客基盤を有する。

出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.    

第1四半期(1月-3月期)実績

★売上高・・・前年同期比36%増の175.7億ドル(市場予想は173.1億ドル)
    
★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・1.40ドル(市場予想は1.33ドル)

決算総括

1-3月の純利益は45%増の2027億台湾ドル(約8770億円)と、アナリスト予想平均(1861億台湾ドル)を上回った。これまで公表された月間売上高に基づく1-3月の売上高は36%増の4911億台湾ドルと過去最高だった。

【図表1】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
【図表2】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.

今後の株価見通し

業績は良好だがウクライナ危機、特に中国による台湾進攻が懸念されるようになり、同社株は当面97.50ドルを下値にしたレンジ内の動きが予想される。

【図表3】株価5年間チャート
出所:トレードステーション

ユナイテッド・ヘルス・グループ(UNH)決算:一株利益は5.49ドルで市場予想を上回る

ユナイテッド・ヘルス・グループは、米国最大級の民間医療保険会社であり、2021年末現在、米国外の500万人を含む5,000万人の会員に医療給付サービスを提供している。

事業者提供医療制度、自家保険制度、政府による公的保険制度のための医療保険プランの大手として、マネージドケア市場で大規模に事業を展開している。また、医療保険事業に加え、医療・薬剤給付サービスから提携先および第三者に対する外来患者ケアや分析サービスまでを手掛けるオプタム事業への継続的な投資により、ヘルスケアサービス市場で巨大な組織を構築している。

出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.    

第1四半期(1月-3月期)実績

★売上高 ・・・ 前年同期比14%増の801.49億ドル(市場予想は787.36億ドル)

★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・ 5.49ドル(市場予想は5.35ドル)

決算総括

1-3月期決算(第1四半期)では、1株利益、売上高とも予想を上回った。通期のガイダンスも第1四半期の決算を反映し、1株利益を上方修正した。ただ、市場からは依然として保守的との見方も出ている。

【図表4】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.

 

【図表5】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.

今後の株価見通し

本日の好決算発表を受け、同社株は史上最高値圏にある。長期的にも、人口増加と高齢化により医療ニーズが高まり同社株には明らかに有利である。更なる上値追いとなろう。

【図表6】株価5年間チャート
出所:トレードステーション

モルガン・スタンレー(MS)決算:1株利益は2.06ドルで市場予想を上回る

モルガン・スタンレーは、世界有数の投資銀行で、その歴史は前身となる会社が設立された1924年にまで遡る。事業は、機関投資家向け証券部門、ウェルス・マネジメント部門、投資運用部門で構成され、さまざまな金融商品やサービスを事業法人、政府系機関、金融機関や個人に提供している。

2021年末時点の顧客資産はおよそ5兆ドルにのぼり、従業員数は全世界でおよそ7万人を超える。純営業収益の約50%は機関投資家向け証券事業、残りをウェルス・マネジメント事業と投資運用事業が占める。米国外の拠点の純営業収益が全体のおよそ30%を占めている。

出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.    

第1四半期(1月-3月期)実績

★収入・・・前年同期比6%減の148.01億ドル(市場予想は141.93億ドル)

★1株当たり利益・・・2.06ドル(市場予想は1.69ドル)

決算総括

1-3月期決算(第1四半期)を発表し、減益となったものの1株利益は予想を上回った。債券・通貨・商品(FICC)、株式ともトレーディング収益は予想を上回り、全体の営業収益も予想を上回った。株式トレーディングの収益はこの5年で最高となった。ただ、ウエルス・マネジメント部門は予想を下回っている。

【図表7】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
【図表8】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.

今後の株価見通し

同行株は、以下の通りベアトレンド下にある。88ドル超えから投資タイミングを図ることになろう。

【図表9】株価5年間チャート
出所:トレードステーション

ゴールドマン・サックス・グループ(GS)決算:一株利益は10.76ドルで市場予想を上回る

ゴールドマン・サックス・グループは、世界有数の投資銀行である。インベストメント・バンキング(純営業収益の20%)、グローバル・マーケット(40%)、アセット・マネジメント(25%)、コンシューマー・アンド・ウェルスマネジメント(15%)の各部門からなる。

純営業収益のおよそ60%を米国、15%をアジア地域、25%を欧州・中東・アフリカ(EMEA)地域で得ている。2008年に銀行持株会社(2009年に金融持株会社)に転換、連邦準備制度理事会(FRB)の監督下にある。

出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.    

第1四半期(1月-3月期)実績

★純収入・・・前年同期比27%減の129.33億ドル(市場予想は117.26億ドル)

★1株当たり損益(一部項目を除く)・・・10.76ドル(市場予想は8.90ドル)

決算総括

本日寄り前決算発表。1-3月期決算(第1四半期)では、トレーディング部門が貢献し、全体の営業収益は予想を上回った。1株利益も予想を上回っている。債券・為替・商品(FICC)部門の収益が予想を大きく上回り、この5年で最高となった。市場は減収を予想していたが予想外の増収となった。

【図表10】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
【図表11】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.

今後の株価見通し

同行株価は、以下の通りベアトレンド下にある。330ドル超えから投資タイミングを図ることになろう。

【図表12】株価5年間チャート
出所:トレードステーション

シティグループ(C)決算:1株利益は2.02ドルで市場予想を上回る

シティグループは、100を超える国と地域で事業を展開するグローバルな金融サービス会社である。グローバル・コンシューマー・バンキング部門、機関投資家顧客グループの2つの主要部門からなる。

主な業務は、米国での多国籍企業に対する国境を越えた銀行業務、投資銀行業務およびトレーディング、ならびにクレジットカードサービスである。

出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.    

第1四半期(1月-3月期)実績

★総収入・・・前年同期比2.4%減の191.86億ドル(市場予想は180.01億ドル)

★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・2.02ドル(市場予想は1.63ドル)

決算総括

1-3月期の総収入と調整済みEPSはともに予想を上回った。債券・通貨・コモディティーのトレーディング収入も予想を上回った。

【図表13】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
【図表14】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.

今後の株価見通し

同行株は、未だベアトレンド下にある。67.5ドル超えから、投資タイミングを図ることになろう。

【図表15】株価5年間チャート
出所:トレードステーション