東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株安を受けて3日ぶりに反落となりました。239円安の26,932円で寄り付いた日経平均は取引開始から10分弱で387円安の26,784円まで下落した後持ち直すと10時前にプラスに転じました。しかし、31円高の27,203円で伸び悩むと再びマイナスとなり176円安の26,995円で前場を終えました。136円安の27,035円でスタートした後場の日経平均は12時50分過ぎに45円安の27,126円まで持ち直しましたが、戻し切れないとやや下げ幅を広げ結局78円安の27,093円で取引を終えています。こうしたなか新興株も安く東証マザーズ指数が2.1%安となっています。

2.個別銘柄等

ファーストリテイリング(9983)が8.8%高となりました。日本や中国は苦戦したものの欧米や東南アジアなどのユニクロ事業が好調で上期の営業利益が前年同期比で12.7%増となり過去最高益を更新したことで上げ幅を広げました。日経平均を1銘柄で184円押し上げています。Gunosy(6047)が29.0%上昇しストップ高となり年初来高値を更新しました。通期の営業利益の見通しを上方修正したことに加え、出資するインドのユニコーン企業の持ち分法適用を2022年5月期中に開始するとしたことで買いを集めました。また、東京製鉄(5423)が目標株価の引き上げを受けて6.7%高となっています。

一方で上期決算を発表した良品計画(7453)が5.1%安となり年初来安値を更新しました。国内での衣服や雑貨の販売低迷に加え、新型コロナウイルスの感染再拡大による中国の上海市の都市封鎖もあり通期の営業利益の見通しを450億円から380億円に下方修正したことで売りが優勢となりました。SUBARU(7270)も一時5.9%安となりました。エンジンのセンサーに不具合がみつかったため国内で生産する主力3車種の一部商品で販売と出荷を停止していると伝わったことが嫌気されました。パソナグループ(2168)も5.2%安となりました。第3四半期3カ月間の営業利益は前年同期比で44.3%増となりましたが、第2四半期3カ月間の79.1%増から伸びが鈍化したことで売りが膨らみました。本決算を発表したわらべや日洋ホールディングス(2918)も8.3%安となり年初来安値を更新しました。原材料価格やエネルギーコストの上昇が利益を圧迫し2023年2月期の営業利益が前期比で1.3%増に止まる見通しを発表したことで売りがかさみました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は78円安となりました。米長期金利が上昇しハイテク株に売りが出て昨日の米国市場が反落となったことで下落となりました。下げ幅を広げ節目の27,000円を割り込む場面もありましたが、126円台前半まで円安が進んだこともあって押し目買いが入り下げ幅を縮めると27,000円を回復し25日移動平均線(27,092円)を小幅に上回って取引を終えています。そのため25日移動平均線が改めてサポートして意識されそうですが、こうしたなかで25日移動平均線を支えに75日移動平均線(27,268円)を超えて水準を切り上げることができるかがポイントとなりそうです。

なお、日本時間の21時30分には4月の米ニューヨーク連銀製造業景況指数が発表されるほか、22時15分には3月の米鉱工業生産指数と設備稼働率が発表される予定です。また、今晩の米国市場は聖金曜日のため休場となります。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)