東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は米国株安を受けて続落となりました。214円安の26,606円で寄り付いた日経平均は取引開始から30分後に146円安の26,674円まで持ち直しましたが、上値は重く下げ幅を広げると11時過ぎに413円安の26,407円まで下落し365円安の26,455円で前場を終えました。378円安の26,442円でスタートした後場の日経平均はさらに下げ幅を広げ14時過ぎに517円安の26,304円まで下落した後も安値圏で推移すると結局486円安の26,334円で取引を終えています。こうしたなか新興株も安く東証マザーズ指数が下落となっています。
2.個別銘柄等
本決算を発表した高島屋(8233)が一時5.2%高となり年初来高値を更新しました。新型コロナウイルス感染拡大で落ち込んでいた個人消費の回復を見込み2023年2月期の営業利益が前期比4.3倍の175億円となる見通しを発表し市場予想も上回ったことで大幅高となりました。名刺管理サービスのSansan(4443)も8.2%高となりました。第3四半期9カ月間累計の営業利益は前年同期比で71.5%減の大幅減益となったものの、第3四半期3カ月間の営業利益が前年同期比で2.7倍と増益に転じたことで買いを集めました。
一方でコスモス薬品(3349)が6.1%安となり年初来安値を更新しました。積極的な新規出店によるコスト増などで第3四半期の営業利益が前年同期の水準を下回り、通期予想に対する進捗率も66.0%に止まったことから業績の下振れを懸念した売りが出ました。タマホーム(1419)も新型コロナウイルス禍の在宅需要の取り込みなどで第3四半期の営業利益は前年同期比21.2%増と大幅な増益となりましたが、通期予想に対する進捗率が61.2%に止まったことで7.3%安となっています。
また、3月の中国発米国向けコンテナ輸送量が22カ月ぶりに前年を下回ったと伝わったことで大手海運株が安く、日本郵船(9101)が5.7%安、商船三井(9104)が6.1%安、川崎汽船(9107)も5.8%安となりました。さらに参天製薬(4536)が投資判断と目標株価の引き下げが相次いだことで10.0%安となり年初来安値を更新したほか、エーザイ(4523)も投資判断と目標株価の引き下げを受けて5.4%安となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は486円安となりました。米長期金利の上昇を受けてハイテク株が売られ昨日の米国市場が大幅下落となったことで売りが優勢となりました。朝方は下げ渋る場面もありましたが、米消費者物価指数(CPI)の発表を日本時間の21時30分に控え積極的な買いが入りにくいこともあって上値は重く大幅安となりました。下げ幅を広げサポートとなっていた25日移動平均線(26,855円)に加えて、節目の26,500円も割り込んだことで下値への警戒感が一段と意識されることになりそうです。なお、2月決算企業の決算発表が続いていますが本日も引け後にJ.フロント リテイリング(3086)や東宝(9602)などが決算を発表する予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)