東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株安を受けて3日ぶりに反落となりました。254円安の27,533円でスタートした日経平均は寄り付きをほぼ高値に下げ幅を大きく広げると11時前に573円安の27,214円まで下落し525円安の27,262円で前場を終えました。503円安の27,284円でスタートした後場の日経平均は13時前に524円安の27,263円まで下落した後下げ幅を縮めたものの上値は重く結局437円安の27,350円で取引を終えています。こうしたなか新興株も安く東証マザーズ指数が下落となっています。

2.個別銘柄等

コスモエネルギーホールディングス(5021)が13.4%高となり年初来高値を更新しました。アクティビスト(物言う株主)として知られる村上氏が率いる投資会社シティインデックスイレブンスが実質的な筆頭株主になったことが判明したことから経営改善に向けた関与などを期待した買いを集めました。また、シティインデックスイレブンスが筆頭株主となっている富士石油(5017)も業界再編への思惑などから10.0%高となっています。ぴあ(4337)も9.1%高となり年初来高値を更新しました。政府が新型コロナウイルスワクチンの3回目の接種者を対象にコンサートやスポーツ観戦などのイベントに割引を適用するワクワクイベントという事業を検討していると昼に伝わったことから後場に上げ幅を広げました。パラマウントベッドホールディングス(7817)も投資判断と目標株価の引き上げを受けて3.3%高となり年初来高値を更新しています。

一方でスギホールディングス(7649)が7.3%安となり年初来安値を更新しました。前の期に衛生用品や日用品が好調だった反動に加え、人件費や店舗建て替えに伴う設備費といったコスト増もあり2022年2月期の営業利益が前期比で5.6%減となったことから成長鈍化を嫌気した売りが出ました。さらに産業廃棄物処理のダイセキ(9793)が2023年2月期の業績予想が市場予想を下回ったことで9.7%安となったほか、子会社で土壌汚染処理大手のダイセキ環境ソリューション(1712)も通期の営業利益は前期比で大幅な増益となったものの第4四半期3カ月の営業利益が前年同期比で減益に転じたことから12.3%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は437円安となりました。ハト派で知られる米連邦準備理事会(FRB)のブレイナード理事が講演で保有資産の圧縮を積極的に進める考えを強調したことで長期金利が一時3年ぶりの高水準を付けたことからハイテク株に売りが出て昨日の米国市場が反落となったことで売りが優勢となりました。日本時間に米長期金利が一段と上昇したこともあって下げ幅を大きく広げる展開となり、その結果サポートとして意識されやすい一目均衡表の雲の上限(27,581円)や75日移動平均線(27,425円)を次々と割り込みました。そのため下値への警戒感がやや意識されることになりそうです。

なお、日本時間の7日午前3時には3月開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨が公表されます。ブレイナード理事の発言もあり保有資産の圧縮についてどのような議論が交わされていたかに注目が集まりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)