【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ： 34,678.35 ▼550.46 （ 3/31 ）
NASDAQ： 14,220.52 ▼221.76 （ 3/31 ）
1.概況
米国市場は消費関連株やハイテク株などに利益確定の売りが出て大幅続落となりました。27ドル安でスタートしたダウ平均は朝方に230ドル安近くまで下落した後一旦下げ渋りましたが、その後も軟調に推移すると引けにかけて一段安となり大きく下げ幅を広げ結局550ドル安の34,678ドルとほぼ安値引けで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も221ポイント安の14,220ポイントとなっています。
2.経済指標等
先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比1万4000件増の20万2000件となり市場予想を上回る悪化となりました。また、２月の米個人消費支出（PCE）も前月比0.2％増に止まり市場予想を下回りました。米個人所得は前月比0.5％増となり市場予想と一致しています。一方で３月の米シカゴ購買部協会景気指数（PMI）は62.9と前月から上昇し市場予想も上回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は11業種全てが下げました。そのなかでも金融とコミュニケーション・サービスが2％以上下落したほか、一般消費財・サービスも2％近く下げています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄全てが下げました。そのなかでも決算で通期の１株利益の見通しを据え置いたことが嫌気されたウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス（WBA）が5％以上下げ下落率トップとなったほか、インテル（INTC）とJPモルガン・チェース（JPM）も3％を超える下落となりました。また、ホーム・デポ（HD）とナイキ（NKE）も3％近く下げ、ウォルト・ディズニー（DIS）とユナイテッドヘルス・グループ（UNH）も2％を上回る下落となっています。
ダウ平均構成銘柄以外では投資判断と目標株価の引き下げを受けて半導体大手のアドバンスト・マイクロ・デバイス（AMD）やIT大手のデル・テクノロジーズ（DELL）が安く、アドバンスト・マイクロ・デバイスが8％以上下げ、デル・テクノロジーズも7％を超える下落となりました。さらに長期金利の低下を受けて大手金融株の下げも目立ち、バンク・オブ・アメリカ（BAC）が4％余り下げ、モルガン・スタンレー（MS）とウェルズ・ファーゴ（WFC）も3％を超える下落となっています。
5.為替・金利等
長期金利は0.01％低い2.34％となりました。ドル円は121円台後半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか米雇用統計の発表を控え様子見となりやすいなかで日経平均が朝方の売り一巡後に下げ渋るような動きをみせるかがポイントとなりそうです。また、本日は寄り付き前の8時50分に日銀短観が発表される予定で注目されます。
（ マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之）
