【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ:  35,294.19   △338.30  ( 3/29 )
NASDAQ:  14,619.64   △264.73  ( 3/29 )

1.概況

米国市場はロシアとウクライナがトルコで停戦協議を再開するなかロシア国防省がウクライナの首都キエフなどで軍事活動を縮小すると発表したことから停戦交渉の進展を期待した買いが入り続伸となりました。

158ドル高でスタートしたダウ平均は直後に416ドル高まで上昇した後伸び悩むと昼過ぎに70ドル高余りまで上げ幅を縮めましたが、その後持ち直し上げ幅を広げると結局338ドル高の35,294ドルで取引を終え4日続伸となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も264ポイント高の14,619ポイントと続伸となりました。

2.経済指標等

1月の米S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数で20都市圏住宅価格指数は前年同月比19.1%上昇し市場予想を上回りました。3月の米コンファレンスボード消費者信頼感指数も107.2と前月から上昇し市場予想を上回っています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうちエネルギーを除く10業種が上げました。そのなかでも不動産が3%近く上昇したほか、情報技術も2%余り上げました。また、一般消費財・サービスとコミュニケーション・サービスも1%以上上昇しています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄中25銘柄が上げました。そのなかでもビザ(V)とナイキ(NKE)が3%を超える上昇となったほか、ボーイング(BA)とセールスフォース・ドットコム(CRM)も3%近く上げました。一方で5銘柄が下げトラベラーズ(TRV)とシェブロン(CVX)が1%以上下落しています。

ダウ平均構成銘柄以外では主力ハイテク株が堅調で、なかでも動画配信のネットフリックス(NFLX)が3%を上回る上昇となり、フェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ(FB)も3%近く上げています。また、配車サービス大手のウーバーテクノロジーズ(UBER)がサンフランシスコ市とタクシー配車で近く提携する見通しと伝わったことで7%近く上昇しています。さらに半導体株も堅調な銘柄が目立ちアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)やマイクロン・テクノロジー(MU)、テキサス・インスツルメンツ(TXN)、ウエスタンデジタル(WDC)が2%以上上げています。

なお、取引終了後に決算を発表したマイクロン・テクノロジーは売上高や1株利益が市場予想を上回ったことから時間外で一段高となっています。

5.為替・金利等

長期金利は0.07%低い2.39%となりました。こうしたなかドル円は円高に振れ122円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株高を受けて堅調なスタートが予想されます。こうしたなか権利落ち日で230円程度とみられる配当落ちがある日経平均が200日移動平均線(昨日時点で28,265円)を引けで上回ることができるかがポイントとなりそうです。

( マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)