東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は小幅に9日続伸となりました。228円高の28,338円でスタートした日経平均は寄り付きを高値に上げ幅を縮めまもなくしてマイナスに転じ9時20分前に81円安の28,028円まで下落すると、その後は昨日の終値を挟んで一進一退の展開となりました。10時50分過ぎに上げ幅を広げ210円高の28,321円まで上昇する場面もありましたが、買いが続かず伸び悩むと前引けにかけてマイナスとなり48円安の28,062円で前場を終えました。115円安の27,995円でスタートした後場の日経平均は12時40分過ぎに163円安の27,946円まで下落しましたが、下げ渋り持ち直すと大引け間際に52円高の28,163円まで上昇し39円高の28,149円で取引を終えました。
一方でTOPIXが小幅に下落となったほか、新興市場もまちまちで東証マザーズ指数が下落、日経ジャスダック平均が上昇となっています。
2.個別銘柄等
東芝(6502)が一時3.9%高となりました。昨日は臨時株主総会でグループ全体を2分割する議案と株式の非公開化や出資の受け入れを積極検討するなどの株主提案が否決され下げ幅を大きく広げる場面がありましたが、非公開化に向け国内投資家を軸とした買収案策定について金融機関との調整を始めたと改めて伝わったことで非公開化への思惑が再び強まり上げ幅を広げる場面がありました。J.フロント リテイリング(3086)も一時3.7%高となりました。固定資産の売却益や連結子会社の株式の一部売却で株式譲渡益を計上することなどから通期の営業利益の見通しを55億円から92億円に上方修正したことで買いが優勢となりました。塩野義製薬(4507)も4.5%高となりました。開発した新型コロナウイルスの飲み薬の供給について厚生労働省と基本合意したと発表したことが材料視されました。また、大豊建設(1822)が期末の配当予想を110円から220円に引き上げたことで19.5%上昇しストップ高となり、ファナック(6954)も自己株式を除く発行済み株式総数の1.30%にあたる250万株と500億円を上限とする自社株買いを発表したことで一時2.4%高となりました。さらにモバイルゲームのKLab(3656)がブロックチェーン関連事業に参入すると発表したことで4.2%高となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は39円高となりました。昨日の米国市場が原油価格の下落を受けてインフレへの警戒感が後退したことや、米新規失業保険申請件数が52年半ぶりの低水準となったことを受けてハイテク株を中心に買いが入り大幅反発となったことで買いが優勢となりました。しかし、朝方の買い一巡後に伸び悩むと一進一退の展開となり節目の28,000円を割り込む場面もありました。上昇ピッチが速く昨日までの8連騰で3,000円近くも上げていたことからすると一旦は上値が重くなるのも当然だといえますが、こうしたなかで週明け以降も買いが優勢となった場合には本日引けで超えることのできなかった200日移動平均線(28,274円)を回復できるかが、そして反対に売りが優勢となった場合には節目の28,000円を引き続き維持できるかがポイントとなりそうです。
なお、日本時間の23時には3月の米ミシガン大学消費者態度指数確報値が発表される予定で、25日の米国ではウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁とウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事が討議に参加するほか、バーキン米リッチモンド連銀総裁の講演も予定されています。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)