東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株高を受けて3日続伸となりました。228円高の25,574円で寄り付いた日経平均は9時20分過ぎに123円高の25,470円まで上げ幅を縮めた後切り返すと大きく上げ幅を広げ11時10分過ぎに439円高の25,785円まで上昇し438円高の25,784円で前場を終えました。373円高の25,719円でスタートした後場の日経平均は13時30分過ぎに305円高の25,652円まで上げ幅を縮めましたが、持ち直し14時50分前に478円高の25,824円まで上昇すると結局415円高の25,762円で取引を終えました。こうしたなか新興市場も高く東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って上昇となっています。

2.個別銘柄等

ソフトバンクグループ(9984)が6.0%高となりました。香港株式市場で出資先のアリババ集団が急伸したことを受けて取引終盤に大きく上げ幅を広げました。オリエンタルランド(4661)も3.7%高となり昨年来高値を更新しました。21日を期限とする新型コロナウイルス対策のまん延防止等重点措置が首都圏などで予定通り解除される見通しと伝わったことで入場者数の回復を期待した買いが入りました。パーク24(4666)も6.4%高となりました。新型コロナウイルスの新規感染者数の減少で交通量が回復し駐車場の稼働が順調に推移したことなどから第1四半期の営業損益が46億円の黒字に転換したことが好感されました。芸能プロダクションのアミューズ(4301)も一時4.7%高となりました。2022年3月期の年間配当計画を従来計画の35円から引き上げ40円にすると発表したことで大幅高となりました。

また、昨日の米国市場で空運株が大幅高となったことに原油価格の下落も加わり日本航空(9201)やANAホールディングス(9202)が高く、日本航空が5.2%高、ANAホールディングスも2.8%高となりました。さらに市場予想を上回る業績予想を発表したことで昨日にストップ高となった三井ハイテック(6966)は本日も買いを集め17.6%上昇し連日でストップ高となっています。

一方でアスクル(2678)が6.6%安となりました。法人向け通販の売り上げが伸びたことなどで第3四半期の営業利益は前年同期比で3.4%増と増益を確保しましたが通期予想を据え置いたことが嫌気されました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は415円高となりました。原油価格の大幅下落を受けてインフレ懸念が後退し昨日の米国市場が大幅高となったことから買いが優勢となりました。米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を控え伸び悩むとの見方もありましたが、先物に散発的な買い戻しが入ったことなどで予想に反して上げ幅を大きく広げる展開となり取引終盤には500円近く上昇する場面もありました。そのFOMCの結果は日本時間の17日午前3時に発表となります。0.25%の政策金利の利上げは織り込み済みであることから参加者の政策金利の見通しやバランスシートの縮小(QT)の開始時期などに関心が集まることになりそうでマーケットの反応が注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)