【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 33,544.34 △599.10 (3/15)
NASDAQ: 12,948.62 △367.40 (3/15)
1.概況
米国市場は原油価格が大幅に下落したことでインフレ懸念が後退し大幅上昇となりました。44ドル高でスタートしたダウ平均は昼過ぎに500ドル高近くまで上昇した後一旦伸び悩みましたが、堅調に推移すると引けにかけて一段高となり取引終盤に675ドル高まで上昇すると結局599ドル高の33,544ドルで取引を終え続伸となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も367ポイント高の12,948ポイントと4日ぶりに反発し3%近い上昇となっています。
2.経済指標等
2月の米卸売物価指数(PPI)は前月比0.8%上昇しましたが、上昇率は前月から低下し市場予想も下回りました。また、3月のニューヨーク連銀製造業景況指数はマイナス11.8と前月から14.9ポイント低下しプラスを見込んでいた市場予想を大きく下回りました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち10業種が上げ、情報技術と一般消費財・サービスが3%を超える上昇となり、コミュニケーション・サービスと生活必需品も2%以上上げています。また、ヘルスケアも2%近く上昇しています。一方でエネルギーが3%を超える下落となっています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄中28銘柄が上げました。そのなかでもウォルト・ディズニー(DIS)が4%高となったほか、マイクロソフト(MSFT)も4%近く上昇しました。また、プロクター・アンド・ギャンブル(PG)とホーム・デポ(HD)も3%以上上げ、アップル(AAPL)とビザ(V)、マクドナルド(MCD)も3%近く上昇しています。一方で原油価格の大幅下落を受けてシェブロン(CVX)が5%余り下落し、ダウ(DOW)も2%以上下げています。
ダウ平均構成銘柄以外では主力ハイテク株の上昇が目立ち中国と米国で値上げを実施した電気自動車のテスラ(TSLA)が4%以上上げ、アマゾン・ドット・コム(AMZN)と動画配信のネットフリックス(NFLX)も4%近く上昇しています。半導体株も高くエヌビディア(NVDA)が7%を超える上昇となり、アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)も7%近く上げました。マイクロン・テクノロジー(MU)も5%を上回る上昇となり、テキサス・インスツルメンツ(TXN)とウエスタンデジタル(WDC)も3%以上上げています。さらに1-3月期の売上高の見通しを上方修正した空運株が高く、アメリカン航空グループ(AAL)とユナイテッド航空ホールディングス(UAL)が9%を超える上昇となり、デルタ航空(DAL)も8%以上上げています。
5.為替・金利等
長期金利は0.01%高い2.14%となりました。ドル円は118円台前半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は節目の25,500円を大きく超えてきそうですが、米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を控え様子見となりやすいなかで朝方の買い一巡後にさらに上値を伸ばすことができるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)