ロシアの銀行の多くがSWIFT(国際銀行間通信協会)から排除され、暗号資産の需要が高まるのではないかという思惑から一時的にリスクオンとなりましたが、その上昇分のほとんどが消え始めています。ウクライナ情勢の悪化によって、株式市場は下落しており、暗号資産市場も連れ安となっている状況です。
BTCは450万円を割り込み、再び400万円に落ち込む展開が見えてきました。ウクライナ情勢は一向に改善に向かう兆しもなく、ロシアへの制裁もさらに強まりそうです。
暗号資産が制裁逃れの手段となっていることへの対策や規制が強化されるという報道もあり、暗号資産市場はネガティブな反応を示しているように感じます。
規制強化の動きはBTC価格をさらに押し下げることになりそうです。その場合は買いを検討したいところですが、375万円から500万円を一時的に突破した大きな調整戻しを考えると、市場ポジションがかなり買いに傾いているかもしれません。よって、次の安値トライは大きな下落相場となる可能性があります。
この値動きに注意しながら、今週の戦略を立てていきましょう。
BTC(ビットコイン)は400−415万円が再び買い場か
BTC/JPYチャート分析です。日足レベルでSMA30を明確に割り込み、戻りが浅い状況です。MACDもしばらく0.00ラインで推移したことから、三角保ち合いの下限ラインをブレイクしますと、さらに加速する可能性があります。持っているポジションを縮小し、次の急落に備える相場環境かもしれません。
非常に難しい局面ですが、私は少しだけポジションを軽くして、ウクライナ情勢による影響を見極めようと思います。状況によって、また来週にでも再エントリーを検討しようと考えています。
テクニカル的な買いの第一ポイントは、400-415万円からになりそうです。図表1のサポートラインと重なるあたりからの買いを検討したいところです。しかしここを割れますと、2022年の安値である375−380万円付近となりますので、資金配分に十分注意しながら買い戻しの場を探っていければと思います。
ETH(イーサリアム)は三角保ち合いブレイクに要注意
ETH/JPYチャート分析に切り替えます。安値圏でしっかりと三角保ち合いを形成し始めました。BTCと比べると、まだ悪い形状です。下値更新の可能性が出てきているように感じます。BTC/JPYを押し目買い、ETH/JPYをレバレッジ取引で戻り売りを行うのも選択肢の1つかもしれません。
MACDも0.00付近で停滞し始めて1ヶ月が経過しようとしています。ここからのブレイクアウト相場はテクニカル的に大きな下落に発展しやすい傾向がありますので注意が必要でしょう。
4時間足で戻り売りの目安を見てみましょう。
ネックラインと移動平均線の位置がポイント
まさにちょうどサポートラインを割れてきました。29万5000円〜30万円の抵抗帯が最初の戻りの目安になるでしょう。もう一段高い位置ですと、SMA30やSMA90を目処に意識した戻り売りを狙えそうです。
ただし、こちらは4時間足ですので、現状価格から一段安となれば週後半から時間の経過とともにSMA30やSMA90が30万円付近まで水準を下げてくる可能性もあります。その場合はより強力なレジスタンスラインとして推移することになるかもしれません。私はこれらを考慮しながら前述した戦略でシナリオを立てていく予定です。
現在(3月7日午前中の執筆時点)では、既に為替市場がリスクオフで大きく反応し、原油価格も高騰しています。金融市場のバランスが大きく崩れているので暗号資産市場もその影響を受けるでしょう。
3月も非常に慎重なトレードを心がけて、リスク管理を最優先した戦略をお伝えしています。現在のトレード方針は、ポジションを少しだけ縮小し、浅い押し目と深い押し目を想定した対応です。ご参考にしていただけますと幸いです。