【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 33,614.80  ▼179.86 (3/4)
NASDAQ: 13,313.44  ▼224.50 (3/4)

1.概況

先週末の米国市場はウクライナ情勢の緊迫化が引き続き重石となり続落となりました。139ドル安でスタートしたダウ平均は昼前に540ドル安まで下落しましたが、下げ渋ると昼過ぎには140ドル安程度まで持ち直しました。その後再び下げ幅を広げたダウ平均ですが引けにかけて持ち直すと結局179ドル安の33,614ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も224ポイント安の13,313ポイントとなっています。

2.経済指標等

2月の米雇用統計で非農業部門雇用者数は前月比67万8000人増となり市場予想を大幅に上回りました。失業率は3.8%と前月から0.2ポイント低下し市場予想を上回る改善となっています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち6業種が下げ、金融が2%近く下落し、情報技術と一般消費財・サービス、コミュニケーション・サービスも1%以上下げています。一方で5業種が上げエネルギーが3%近く上昇し、公益事業も2%以上上げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄ではウォルマート(WMT)とユナイテッドヘルス・グループ(UNH)、ウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)が2%を上回る上昇となりました。一方でボーイング(BA)が4%以上下げたほか、アメリカン・エキスプレス(AXP)も4%近く下落しました。ビザ(V)とウォルト・ディズニー(DIS)も3%を超える下げとなり、JPモルガン・チェース(JPM)も長期金利の低下を受けて3%近く下落しています。ダウ平均構成銘柄以外でも金融株が安くウェルズ・ファーゴ(WFC)が5%近く下げ、バンク・オブ・アメリカ(BAC)も3%を超える下落となっています。

また、半導体株も下げが目立ちマイクロン・テクノロジー(MU)が8%余り下げ、アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)とエヌビディア(NVDA)、ウエスタンデジタル(WDC)も3%以上下落しています。しかし、半導体大手のブロードコム(AVGO)は決算が市場予想を上回る増収増益となったことで3%高となっています。

5.為替・金利等

先週末の長期金利は0.11%低い1.73%となりました。ドル円は114円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は先月24日に付けた昨年来安値(25,970円)を下回りそうで、本日もウクライナ情勢に神経質な展開となりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)