【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 34,934.27 ▼54.57 (2/16)
NASDAQ: 14,124.10 ▼15.66 (2/16)
1.概況
米国市場は小幅に高安まちまちとなりました。37ドル安でスタートしたダウ平均はウクライナ情勢への警戒が続き大きく下げ幅を広げると昼過ぎに346ドル安まで下落しましたが、FOMC議事要旨の内容がFOMC後の記者会見でパウエル議長が言及した範囲にとどまったことから金融引き締めへの過度な警戒感が和らぎ急速に下げ幅を縮めると取引終盤にプラスに転じ53ドル高まで上昇しました。しかし、上値は重く引けにかけて再びマイナスに転じると結局54ドル安の34,934ドルで取引を終え反落となっています。一方でS&P500株価指数は3ポイント高の4,475ポイントと続伸となりましたが、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は15ポイント安の14,124ポイントと反落となっています。
2.経済指標等
米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では利上げについて大半の参加者が前回よりも速いペースになる可能性が高いとの見方をしていることが分かりました。また、資産の圧縮に関しては多くの参加者が年内のどこかで始める条件が整いそうだとの認識を示していることが明らかとなりました。さらに1月の米小売売上高は前月比3.8%増となり市場予想を上回りました。1月の米輸入物価指数も前月比2.0%上昇し市場予想を上回りました。米輸出物価指数も前月比2.9%上昇し市場予想を上回っています。1月の米鉱工業生産も前月比1.4%上昇し市場予想を上回りました。一方で設備稼働率は77.6%と前月から上昇しましたが市場予想を下回りました。2月の全米住宅建設業協会(NAHB)住宅市場指数も82と前月から低下し市場予想を下回っています。2021年12月の米企業在庫は前月比2.1%増となり市場予想と一致しています
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうちエネルギーや素材、資本財・サービス、一般消費財・サービスなどの9業種が上げました。一方でコミュニケーション・サービスと情報技術の2業種が下げています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄ではセールスフォース・ドットコム(CRM)とスリーエム(MMM)、ゴールドマン・サックス(GS)が1%を超える下落となりました。一方でウォルト・ディズニー(DIS)が1%余り上げています。
ダウ平均構成銘柄以外では、検索サイトのグーグルがスマホアプリの個人の利用情報を広告配信に使うことを制限する方針を示したことで利用者の嗜好に合わせた広告を配信が難しくなり売上高が伸び悩むとの見方が出てフェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ(FB)が2%安となりました。ネット通販支援のショッピファイ(SHOP)も決算で通期の売上高見通しが市場予想に届かなかったことで16%安となりました。民泊仲介大手のエアビーアンドビー(ABNB)は決算で売上高が市場予想を上回ったことなどで3%を超える上昇となりました。また、取引終了後に決算を発表した半導体製造装置大手のアプライドマテリアルズ(AMAT)は決算で売上高と1株利益が市場予想を上回ったことから時間外で一段高となっています。
5.為替・金利等
長期金利は変わらずの2.04%となりました。ドル円は115円台半ば近辺で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国市場が小幅に高安まちまちとなったことで小動きでのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が利益確定の売りが出やすいなかで堅調さを維持し25日移動平均線(昨日時点で27,474円)を引けで上回ることができるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)