【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 34,364.50 △99.13 (1/24)
NASDAQ: 13,855.13 △86.21 (1/24)
1.概況
米国市場は反発となりました。194ドル安でスタートしたダウ平均は北大西洋条約機構(NATO)がウクライナ情勢の緊迫化を受け同国周辺の東欧地域に加盟国の艦船や航空機などを増派すると発表したことや、米連邦公開市場委員会(FOMC)を警戒した売りが出て大きく下げ幅を広げ昼過ぎに1,115ドル安まで下落しました。しかし、その後押し目買いが入り持ち直し引けにかけて急速に戻すと引け間際にプラスに転じ結局99ドル高の34,364ドルとなり7日ぶりに反発となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も86ポイント高の13,855ポイントと5日ぶりに反発となりました。
2.経済指標等
1月の米製造業PMI速報値は55.0と前月から低下し市場予想も下回りました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち一般消費財・サービスやエネルギー、資本財・サービスなどの8業種が上げ、一般消費財・サービスは1%を超える上昇となりました。一方で公益事業とヘルスケア、生活必需品の3業種が下げ、公益事業は1%安となっています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄ではホーム・デポ(HD)が4%以上上げ上昇率トップとなったほか、トラベラーズ(TRV)も4%近く上げました。ナイキ(NKE)とセールスフォース・ドットコム(CRM)も2%を超える上昇となっています。一方でビザ(V)が2%近く下げ下落率トップとなり、メルク(MRK)とジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)も1%以上下落しています。
ダウ平均構成銘柄以外では半導体関連株の一角が堅調で、半導体製造装置のKLA(KLAC)が5%近く上げ、アプライドマテリアルズ(AMAT)も3%以上上昇しました。半導体株ではクアルコム(QCOM)が3%を超える上昇となっています。また、買収提案が相次いだことで身売り観測が高まり百貨店大手のコールズ(KSS)が急伸し36%高となっています。先週末に急落した動画配信のネットフリックス(NFLX)は投資判断の引き下げもあって売りが続き2%を超える下落となっています。
5.為替・金利等
長期金利は0.01%高い1.77%となりました。ドル円は114円近辺で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国市場が小幅な上昇に止まり新たな買い材料になりにくいことから軟調なスタートが予想されます。こうしたなか本日も米株価指数先物などの動向をにらみながらの展開となりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)