東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は昨日に大きく下げた反動で3日ぶりに反発となりました。米国株安を受けて65円安の27,401円で寄り付いた日経平均は下げ渋ると取引開始から5分程度でプラスに転じ9時30分前に259円高の27,726円まで上昇しましたが、伸び悩むとマイナスとなり10時20分過ぎに249円安の27,217円まで下落しました。しかし、押し目買いが入り持ち直すとプラスとなり127円高の27,594円で前場を終えました。231円高の27,698円でスタートした後場の日経平均は14時20分過ぎに415円高の27,882円まで上昇した後上げ幅を縮めると結局305円高の27,772円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も高く東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って上昇となっています。
2.個別銘柄等
伊藤忠商事(8001)が一時6.0%高となり上場来高値を更新しました。自己株式を除く発行済み株式総数の1.3%にあたる2000万株と金額で600億円を上限とする自社株買いを発表したことで買いが優勢となりました。ユーグレナ(2931)も6.7%高となりました。ユーグレナが製造する次世代バイオディーゼル燃料の実用性検証試験をJR東海(9022)と実施すると発表したことが材料視されました。液晶パネルの製造装置や半導体の検査装置を手掛けるワイエイシイホールディングス(6298)も7.2%高となりました。世界的な供給網の混乱で製品の部材の納期が遅れ売り上げが想定を下回るものの、業務効率化が寄与することなどから通期の営業利益の見通しを16億円から18億円に上方修正したことが好感されました。
また、投資判断や目標株価の引き上げに反応したのが西松建設(1820)やベルシステム24ホールディングス(6183)で、西松建設が目標株価の引き上げを受けて一時2.9%高となり、ベルシステム24ホールディングスも投資判断の引き上げを受けて8.5%高となっています。
一方で昨日に続いて利益確定の売りが出て大手海運株が安く、日本郵船(9101)が一時6.4%安となったほか、商船三井(9104)が5.3%安、川崎汽船(9107)も6.5%安となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は305円高となりました。日本時間10時すぎに中国人民銀行が実質的な政策金利を2ヶ月連続で引き下げたと伝わると中国経済の減速が改めて意識され250円近く下げる場面もありましたが、押し目買いが入り持ち直すと時間外の米株価指数先物が堅調に推移していたこともあって上げ幅を広げました。しかし、自律反発に止まったことで上げ幅は昨日の下げ幅の4割弱に止まりました。そのため下値への警戒感は依然として強いといえそうです。
なお、日本時間の22時30分に1月の米フィラデルフィア連銀製造業景況指数が発表されるほか、21日午前零時には12月の米中古住宅販売件数が発表される予定です。また、20日の米国では動画配信のネットフリックス(NFLX)などが決算を発表する予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)