ゴールドマン・サックス・グループ(GS)決算:一株利益は10.81ドルで市場予想を下回る
企業概要
ゴールドマン・サックス・グループは、世界有数の投資銀行である。インベストメント・バンキング(純営業収益の20%)、グローバル・マーケット(40%)、アセット・マネジメント(25%)、コンシューマー・アンド・ウェルスマネジメント(15%)の各部門からなる。
純営業収益のおよそ60%を米国、15%をアジア地域、25%を欧州・中東・アフリカ(EMEA)地域で得ている。2008年に銀行持株会社(2009年に金融持株会社)に転換、連邦準備制度理事会(FRB)の監督下にある。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第4四半期(10月-12月期)実績
★純収入・・・前年同期比7.6%増の126.39億ドル(市場予想は120.10億ドル)
★1株当たり損益(一部項目を除く)・・・10.81ドル(市場予想は11.65ドル)
10-12月期決算(第4四半期)では、全体の営業収益は投資銀行部門が好調で予想を上回ったものの、株式部門の不調でトレーディング収益が予想外の減収となった。トレーディング収益は若干の増収予想に反して7%の減収。特に株式部門が11%の減収となったことが圧迫している。
今後の株価見通し
決算発表当日、株価は7%近く下落した。当面下値模索となろう。
バンク・オブ・アメリカ(BAC):一株利益は0.82ドルで市場予想を上回る
企業概要
バンク・オブ・アメリカは、米国最大の金融機関の1つで、2兆5,000億ドル以上の資産を保有している。カスタマー・バンキング、グローバル・ウェルス&インベストメント・マネジメント、グローバル・バンキング、グローバル・マーケットの4主要事業部門からなる。
消費者向け業務には、支店網や預金業務、住宅ローン、自動車ローン、クレジットカードやデビットカード、小企業向けサービスなどがある。メリルリンチ事業部門は、U.S. Trustプライベートバンク同様にブローカレッジやウェルス・マネジメント・サービスを提供している。ホールセール業務には、投資銀行業務、法人向けおよび商業用不動産融資業務、キャピタル・マーケット業務などが含まれる。米国外でも事業を展開している。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第4四半期(10月-12月期)実績
★調整後の収入・・・前年同期比10%増の221.65億ドル (市場予想:222.31億ドル)
★1株当たり利益(調整済み)・・・0.82ドル(市場予想0.76ドル)
10-12月期決算(第4四半期)では利益が30%増加し、市場予想を上回った。融資の伸びが業績押し上げを主導したほか、M&A(企業の合併・買収)動向の活況が追い風となり、投資銀行部門が好調だった。
今後の株価見通し
好決算だった。同銀のモイニハンCEOは声明で「第4四半期に融資残高が510億ドル増加し、預金も1000億ドル増加した。リテール部門のリーダーとしての地位をさらに強固なものにした」と述べた。50ドル超えから買いになろう。
チャールズ・シュワブ(SCHW)決算:一株利益は86セントで市場予想を下回る
企業概要
チャールズ・シュワブは、証券業務、銀行業務、資産運用業務を手掛ける金融サービス会社である。大規模な実店舗型の証券支店網と、オンライン証券サイトを運営し証券業界でリーダー的地位を築いている。また、銀行業務、投資信託事業も展開し、独立系投資アドバイザーにサービスを提供している。顧客の預り資産残高は6兆5000億ドル(2020年末現在)を超え、投資事業会社では業界最大手に属する。ほぼすべての営業収益が米国で生み出されている。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第4四半期(10月-12月期)実績
★調整後の収入・・・前年同期比13%増の47.08億ドル(市場予想は47.92億ドル)
★1株当たり利益(調整済み)・・・86セント(市場予想:88セント)
1月18日寄り前決算発表。10-12月期(第4四半期)の収入、調整済みEPSともに予想を下回った。ただし、総顧客資産、新規証券口座数、新規純資産額は予想を上回った。
今後の株価見通し
株価は史上最高値を更新中であり、決算を受け、利益確定売りが出たが、押しは浅い。
インタラクティブ・ブローカーズ・グループ(IBKR)決算:一株利益は67セントで市場予想を下回る
企業概要
インタラクティブ・ブローカーズ・グループは、世界中でブローカー・ディーラー・エージェンシー事業および自己勘定取引事業を手掛ける。ブローカー・ディーラー・エージェンシー事業を通じて、機関投資家やプロのトレーダーに直接アクセスによる取引執行と清算サービスを提供している。
電子的に取引される商品には、株式、オプション、先物、外国為替、債券、CFD、ファンドなどがある。米国、カナダ、英国、アイルランド、ルクセンブルグ、スイス、ハンガリー、インド、中国(香港および上海)、日本、シンガポール、オーストラリアで事業を展開している。SEC、FINRA、NYSE、FCA、および世界中の規制当局の規制下にある。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第4四半期(10月-12月期)実績
★収入・・・前年同期比17.4%増の6.83億ドル(市場予想6.70億ドル)
★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・67セント(市場予想83セント)
ネット証券のインタラクティブ・ブローカーズが上昇。昨日引け後決算発表。10-12月期決算(第4四半期)では、1株利益は予想の範囲内だったものの、営業収益が予想を上回った。
今後の株価見通し
好決算だったが、相場全体の地合いが悪く、好反応していない。
ASMLホールディング(ASML)決算:一株利益は4.38ユーロで市場予想を上回る
企業概要
ASMLホールディングは、1984年に設立されたオランダに本拠を置く企業で、半導体の製造に使用されるフォトリソグラフィシステムの主要メーカーである。フォトリソグラフィは、フォトマスクから半導体ウェハ上に回路パターンを露光するために光源が使用されるプロセスである。
この分野の最新の技術進歩によって、チップメーカーではシリコンの同じ領域上のトランジスタ数を継続的に増やすことが可能となる。従来、リソグラフィは最先端のチップ製造におけるコストのかなりの割合を占めるが、チップメーカーでは、5ナノメートルのプロセスノードを超えて継続するために、ASMLの次世代EUVリソグラフィツールを必要とする。
製品は、インテル、サムスン、台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング・カンパニー(TSMC)などすべての大手半導体メーカーで使用されている。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第4四半期(10月-12月期)実績
★売上高・・・前年同期比17%増の49.86億ユーロ(市場予想は51.18億ユーロ)
★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・4.38ユーロ(市場予想は3.75ユーロ)
第1四半期ガイダンス
★売上高・・・33-35億ユーロ(市場予想は53.6億ユーロ)
2022年度通期ガイダンス
★売上高成長率・・・20%
オランダの半導体製造装置メーカー、ASMLホールディングが昨日引け後発表した第4四半期決算は、純利益が17億7000万ユーロ(20億1000万ドル)と予想を上回った。2022年には売上高が20%の伸びになると予想した。今年も需要を満たすことは難しいとし、第1四半期の売上高を33億-35億ユーロと予想した。一部のシステムが最終テストを経る前に顧客に出荷されるため、今後20億ユーロの売り上げが追加で計上されるという。21年の配当を2倍の5.50ユーロにするとした。
今後の株価見通し
インターネット、ビッグデータ、自動運転等の発展において、世界で最も重要な企業だ。ASMLホールディングは、極端紫外線露光装置を供給する唯一の企業であり、同社なくしてはムーアの法則は存在しない。AIから自動運転に至るまで、未来の産業では、同社の重要度が必要だ。ただし、相場全体の地合いの悪さもあり、株価は昨年11月中旬からベアトレンドにある。