【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 35,368.47 ▼543.34 (1/18)
NASDAQ: 14,506.90 ▼386.86 (1/18)
1.概況
米国市場は長期金利の上昇を受けてハイテク株に売りが出たうえ、大手金融株の下げも重石となり大幅下落となりました。250ドル安でスタートしたダウ平均は昼過ぎに649ドル安まで下落した後取引終盤に380ドル安程度まで持ち直しましたが、引けにかけて再び下げ幅を広げると結局543ドル安の35,368ドルで取引を終え3日続落となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も386ポイント安の14,506ポイントと反落となり2%を超える下落となっています。
2.経済指標等
1月の米ニューヨーク連銀製造業景況指数はマイナス0.7と2020年6月以来のマイナスとなり市場予想を大幅に下回りました。1月の全米住宅建設業協会(NAHB)住宅市場指数も83と前月から低下し市場予想を下回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうちエネルギーを除く10業種が下げました。そのなかでも情報技術と金融が2%を超える下落となったほか、コミュニケーション・サービスと一般消費財・サービスも2%近く下げています。
4.個別銘柄動向
ゴールドマン・サックス(GS)が決算で1株利益が市場予想を下回ったことで7%近く下げダウ平均構成銘柄で下落率トップとなりました。他の金融大手にも売りが波及しモルガン・スタンレー(MS)とJPモルガン・チェース(JPM)が4%を超える下落となり、バンク・オブ・アメリカ(BAC)も3%以上下げました。シティーグループ(C)とウェルズ・ファーゴ(WFC)も2%を上回る下落となっています。
また、ハイテク株に売りが出るなかフェイスブックを運営するメタプラットフォームズ(FB)が4%余り下落したほか、グーグルの持ち株会社であるアルファベット(GOOGL)とマイクロソフト(MSFT)も2%以上下げ、アップル(AAPL)とアマゾン・ドット・コム(AMZN)、電気自動車のテスラ(TSLA)も2%近く下落しています。さらに半導体関連株も安く、半導体製造装置のアプライドマテリアルズ(AMAT)が8%以上下げ、KLA(KLAC)も7%余り下落しています。半導体株ではクアルコム(QCOM)が5%を超える下げとなり、マイクロン・テクノロジー(MU)も4%を上回る下げとなりました。エヌビディア(NVDA)とアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)も3%を上回る下落となっています。
一方でマイクロソフトが687億ドルで買収する計画を発表したことでゲームソフトのアクティビジョン・ブリザード(ATVI)が買収価格にさや寄せする格好で急伸し26%近く上げています。
5.為替・金利等
長期金利は0.09%高い1.87%となり2020年1月以来の高水準となりました。ドル円は114円台半ばで推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の28,000円を維持できるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)