【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 36,113.62 ▼176.70 (1/13)
NASDAQ: 14,806.81 ▼381.58 (1/13)
1.概況
米国市場は米連邦準備理事会(FRB)のブレイナード理事が副議長昇格の承認を得るための米上院の公聴会でテーパリング(量的緩和の縮小)の完了後できるだけ早く利上げを開始する準備を整えていると述べたことなどで金融政策の早期正常化を警戒した売りがハイテク株を中心に出て反落となりました。22ドル高でスタートしたダウ平均は昼前に223ドル高まで上昇しましたが、上げ幅を縮めると取引終盤に売りが優勢となり下げ幅を広げました。引け間際に246ドル安まで下落したダウ平均は引けにかけてやや持ち直したものの結局176ドル安の36,113ドルで取引を終え3日ぶりに反落となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も381ポイント安の14,806ポイントと4日ぶりに反落となり2%を超す下落となっています。
2.経済指標等
先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比2万3000件増の23万件となり改善を見込んでいた市場予想に反して悪化しました。また、12月の米卸売物価指数(PPI)は前月比0.2%上昇に止まり市場予想を下回りました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち8業種が下げ、情報技術と一般消費財・サービスが2%を上回る下落となったほか、ヘルスケアとコミュニケーション・サービスも1%以上下げています。一方で公益事業と生活必需品、資本財・サービスの3業種が上げています。
4.個別銘柄動向
ハイテク株に売りが出るなか電気自動車のテスラ(TSLA)が6%を超える下落となったほか、マイクロソフト(MSFT)も4%を超える下落となりました。動画配信のネットフリックス(NFLX)も3%以上下げ、フェイスブックを運営するメタプラットフォームズ(FB)とグーグルの持ち株会社であるアルファベット(GOOGL)、アップル(AAPL)も2%前後の下落となっています。また、半導体株も安くエヌビディア(NVDA)が5%余り下げ、アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)も3%以上下落しています。さらに写真・動画共有アプリのスナップ(SNAP)も投資判断と目標株価の引き下げを受けて10%安となっています。
一方でボーイング(BA)が主力小型機737MAXの運航が1月中にも中国で再開される見通しと伝わったことで3%近く上げました。デルタ航空(DAL)も決算が市場予想を上回ったうえ、先行きの旅客需要の回復にも自信を示したことで2%余り上昇しています。他の空運株にも買いが波及しアメリカン航空グループ(AAL)が4%以上上げ、ユナイテッド航空ホールディングス(UAL)も3%を上回る上昇となっています。
5.為替・金利等
長期金利は0.04%低い1.70%となりました。ドル円は114円台前半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が朝方の売り一巡後に下げ渋り底堅さをみせるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)