2021年はBTCをはじめ、ETHなどアルトコインも大きく上昇した年でした。BTCは年始からおよそ2倍近く値上がりました。ETHは年始7-8万円だったのが現在46万円前後で推移しており、およそ6倍程度の値上がりとなりました。

2020年から2021年にかけて暗号資産市場は大きく拡大し、時価総額は円建てで270兆円相当規模にまで成長しています。2022年も!と期待したいところですが、3年連続ここまでの高騰を願うのは少々難しい気もしています。

十二支にまつわる相場格言では、2022年の「寅」は「千里を走る」と言われます。しかし、戦後の年間パフォーマンスを見ると、「寅」は十二支のうち下から3番目で過去のデータからすると「良い相場年」とは言えないようです。2023年の卯年は「跳ねる相場」と言われますので、再来年を見越した大きな買い場と位置付けて向き合っていくと良いのではないでしょうか。

2021年を通して、暗号資産は世界で新しいアセットとして認知がより拡大したと考えています。2022年もさらにその認知が拡がっていくことでしょう。

今回は年内最後のコラムですので、週足チャートでBTCとETHの2022年の相場予測をお伝えしたいと思います。

BTC/JPY、2022年のレンジ予想:220-1000万円
コアレンジ予想:315-780万円

【図表1】BTC/JPY週足
出所:Trading View

2022年の相場予測ですが、レンジをかなり広くとらざるを得ません。というのも、最近ではこの規模の値幅で動いているからです。

寅年は「政治混乱や円高に進みやすい年」と言われることも多く、特に2022年の前半は上値が重い展開を予想しています。2022年の後半から再び上昇に向けて動き出すのではないかと思います。

目先は、チャート内の並行チャネルレンジで推移すると考え、短期的なイメージとしては、下限ラインの400万円付近まで下押ししやすいと予想します。

例年、BTCは2月に陽線を付けやすいのですが、騰落率も激しいため、月足レベルでも一時的に陰線になることもあるでしょう。その下落したところは買い場となるように感じます。

私は、ポイントとなるサポートラインは315万円、チャネルレンジ下限ラインでは400万円台前半を意識して準備しています。

2022年の前半に上値が重い展開を予想する理由としては、以下のリスクオフ材料が考えられるからです。

オミクロン株のさらなる感染拡大、北京五輪の延期または欧米諸国不参加、ロシアによるウクライナ侵攻、中国不動産開発会社のデフォルトから飛び火した他国の企業の業績悪化、インフレ率の高止まりからくるスタグフレーションの常態化など。

2022年も悪材料が多いと考えられますが、どこかで下落のチャンスがあり、そこが買い場となると予想しています。

ETH/JPY、2022年の年のレンジ予想:16-60万円
コアレンジ予想:28-50万円

【図表2】ETH/JPY週足
出所:Trading View

ETHの相場予想に移ります。

BTCと同様に並行チャネルを引きました。ETHはまだレンジ中央線よりも上で推移しており、BTCと比べると上昇の強さを感じさせます。よって、押し目はそこまで大きく作らないイメージです。

フィボナッチ・リトレースメント50.0%押し水準では、前回安値が引けるサポートラインと近い距離で結べます。さらにチャネルレンジ下限ラインも徐々に上向き方向ですから、2月頃に30万円付近で推移している場合、条件が多く重なるポイントは28-30万円付近になります。そうなりますと、このポイントが買い場となる可能性が高いと考えられます。

2021年、DeFi市場やNFT市場は規模が大きく拡大しました。今秋からNFTゲーム(GameFi)市場も熱狂を帯び始めています。そういったことからもETHの需要は2022年も続きそうです。

2022年もETHは底堅く推移し、下がったところは買い場となるかもしれません。

2022年も私個人的には、BTCよりもETHに分があるように思います。もしかしたらETHが時価総額レベルで一時的にBTCを上回るタイミングも出てくるかもしれません。

2022年については慎重姿勢を維持しています。しかし見方を変えれば、「良き仕込みの年」となる可能性もあります。チャンスをじっくり待って、キャッシュポジションを多めに控え、投資タイミングを狙っていただければと思います。