今日は22年以上書き続けて来たつぶやきの中でも極めて珍しい、亡くなった方の思い出について。三井住友銀行の前取締役会長であられた宮田孝一さんが10月に急逝され、今日、お別れの会に参列してきました。
宮田さんは、私がまだ前職のゴールドマンサックスで駆け出しのトレーダーで、債券発行に伴う金利スワップや通貨スワップのアレンジをするデットキャピタルマーケットの仕事をしていた時に、三井銀行の市場営業部だったでしょうか、同じ仕事をする部署の次長さんで、とっても穏やかな方でしたが、スワップの計算や仕組みに対する理解の深さは当時の日本の銀行界で明らかに随一で、しかも数字だけではなくて、起債に伴う様々な配慮やルールなど、全てに関して圧倒的な知識と理解を持たれていて、かつそれをいつも穏やかに、駆け出しの私にも優しく諭すように教えてくれたのでした。
私は資本市場の仕事は殆どが独学と、ウォールストリートの鉄人達から学んできましたが、日本の金融機関の方から本当に教えていただいた方は、唯一宮田さんしか思い出せません。私はお別れの会は苦手で、行かずに心の中で合掌することが多いのですが、今日ばかりは参列し、献花し、奥様に深く頭を下げて、大変お世話になりました、と申し上げました。宮田さん、本当にありがとうございました。