【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 34,932.16 ▼433.28 (12/20)
NASDAQ: 14,980.94 ▼188.74 (12/20)
1.概況
米国市場は世界的に新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の感染が拡大していることに加えて、民主党のマンチン上院議員の反対表明でバイデン米政権の看板政策で子育て支援や気候変動対策に10年で1.75兆ドル規模を投じる歳出・歳入法案の実現が不透明になったこともあって大幅続落となりました。143ドル安でスタートしたダウ平均は下げ幅を大きく広げ昼前に699ドル安まで下落した後下げ渋ると午後に入って持ち直しましたが、上値は重く結局433ドル安の34,932ドルで取引を終え3日続落となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も188ポイント安の14,980ポイントとこちらも3日続落となり節目の15,000ポイントを割り込んでいます。
2.経済指標等
11月の米景気先行指標総合指数は前月比1.1%上昇し市場予想を上回りました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち9業種が下げ、金融と素材が2%近く下落したほか、資本財・サービスと一般消費財・サービス、情報技術、エネルギーも1%以上下げています。一方で公益事業と生活必需品の2業種が上げています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄中24銘柄が下げました。そのなかでもトラベラーズ(TRV)とキャタピラー(CAT)が3%近く下落したほか、ナイキ(NKE)とゴールドマン・サックス(GS)、ハネウェル・インターナショナル(HON)、アメリカン・エキスプレス(AXP)、セールスフォース・ドットコム(CRM)、ボーイング(BA)、インテル(INTC)も2%以上下げています。
ダウ平均構成銘柄以外では、子育て支援や気候変動対策に10年で1.75兆ドル規模を投じる歳出・歳入法案の実現が不透明になったことで、政策を追い風に電気自動車の普及が加速するとの期待が後退したことでテスラ(TSLA)が3%を超える下落となりました。一方でクルーズ船のカーニバル(CCL)が2022年3-5月期に黒字化が見込めるとの見通しを示したことなどから3%以上上げています。製薬のファイザー(PFE)も新型コロナワクチンを欧州委員会とその加盟国に2億回以上を供給することで合意したと発表したことで2%を超える上昇となっています。
5.為替・金利等
長期金利は0.02%高い1.42%となりました。ドル円は113円台後半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は日経平均が昨日と一昨日の2日間で1,100円以上下げた反動で上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の28,000円を超えてどこまで上値を伸ばすことができるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)