【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 35,754.75 △35.32 (12/8)
NASDAQ: 15,786.99 △100.07 (12/8)
1.概況
米国市場はファイザー(PFE)が新型コロナウイルスワクチンについて3回接種が新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」に対しても高い予防効果を持つとの初期の調査結果を発表したことでオミクロン株への警戒感が後退し3日続伸となりました。2ドル安とほぼ横ばいでスタートしたダウ平均は朝方に121ドル高まで上昇した後利益確定の売りが出て上げ幅を縮めるとマイナスとなり昼前に116ドル安まで下落しましたが、午後に入って持ち直すと引けにかけてプラスに転じ結局35ドル高の35,754ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も100ポイント高の15,786ポイントとなっています。
2.経済指標等
主要な経済指標の発表はありませんでした。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうちコミュニケーション・サービスやヘルスケア、不動産などの8業種が上げました。一方で金融と生活必需品、公益事業の3業種が下げています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄ではアップル(AAPL)が2%以上上げ上場来高値を更新し上昇率トップとなったほか、ウォルト・ディズニー(DIS)とメルク(MRK)、アメリカン・エキスプレス(AXP)、IBM(IBM)、ボーイング(BA)、アムジェン(AMGN)も1%を超える上昇となりました。一方でシスコシステムズ(CSCO)が2%近く下げ下落率トップとなり、インテル(INTC)とハネウェル・インターナショナル(HON)、ホーム・デポ(HD)、JPモルガン・チェース(JPM)、ウォルマート(WMT)も1%以上下げています。
ダウ平均構成銘柄以外では、オミクロン株への警戒感が後退したことから旅行・レジャー関連株が高く、空運株ではユナイテッド航空ホールディングス(UAL)が4%以上上げ、デルタ航空(DAL)とアメリカン航空グループ(AAL)も2%前後の上昇となりました。また、クルーズ船ではノルウェージャン・クルーズライン・ホールディングス(NCLH)が8%を超える上昇となり、カーニバル(CCL)とロイヤル・カリビアン・クルーズ(RCL)も5%以上上げています。
5.為替・金利等
長期金利は0.05%高い1.52%となりました。ドル円は113円台後半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国市場が小幅な上昇に止まったことから小動きでのスタートが予想されます。こうしたなか昨日までの2日間で930円以上上げ利益確定の売りが出やすいなかで日経平均が昨日までの堅調さを維持できるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)