東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株高を受けて大幅続伸となりました。337円高の28,792円で寄り付いた日経平均は直後に379円高の28,835円まで上昇した後9時20分過ぎに165円高の28,621円まで上げ幅を縮めましたが、その後持ち直すと318円高の28,774円で前場を終えました。360円高の28,815円でスタートした後場の日経平均は13時40分前に441円高の28,897円まで上昇した後14時30分過ぎに320円高の28,776円まで上げ幅を縮めましたが、引けにかけて持ち直すと結局405円高の28,860円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も堅調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って上昇となっています。

2.個別銘柄等

昨日の米国市場で主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が5%近く上昇し最高値を更新したことから日本市場でも半導体関連株が高く、東京エレクトロン(8035)が一時4.1%高、レーザーテック(6920)が一時4.4%高となったほか、外資系証券が投資判断と目標株価を引き上げたこともあってルネサスエレクトロニクス(6723)も6.1%高となりました。投資判断と目標株価の引き上げを受けて日東電工(6988)や中外製薬(4519)も高く、日東電工が3.5%高、中外製薬も6.8%高となりました。また、ベンチャーキャピタルのジャフコグループ(8595)が1株を3株にする株式分割を発表したことで3.4%高となったうえ、マザーズ市場では創薬ベンチャーのそーせいが(4565)が新型コロナウイルスの治療薬を開発するための助成金を英ウェルカム財団から受領したと発表したことで一時5.3%高となっています。

一方で政府・与党が住宅ローン減税の見直しの大枠を固めローン残高の1%を所得税などから差し引く現行の控除率を0.7%に縮小すると伝わったことから不動産株が安く、野村不動産ホールディングス(3231)が3.4%安、三井不動産(8801)が3.7%安、住友不動産(8830)も3.2%安となりました。さらに本決算を発表したくら寿司(2695)も2022年10月期の営業利益の見通しが市場予想を下回ったことで一時3.1%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は405円高となりました。新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」への警戒感が後退し昨日の米国市場が大幅続伸となったことで買いが優勢となりました。大幅高となり先月末に上値を押さえられた100日移動平均線(28,707円)を上回り上げ幅を広げたことから下値への警戒感が一段と後退しそうですが、2日間で930円以上上げ利益確定の売りが出やすいなかで明日も堅調な地合いを維持して本日超えることができなかった200日移動平均線(28,903円)や一目均衡表の雲の上限(28,910円)を上回ることができるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)