【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 35,227.03 △646.95 (12/6)
NASDAQ: 15,225.15 △139.68 (12/6)
1.概況
米国市場はバイデン米政権のファウチ首席医療顧問が新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」について感染者の重症化の度合いはそれほど高くないようだとの見方を示したことでオミクロン株への過度な警戒感が後退し大幅反発となりました。53ドル高でスタートしたダウ平均は上げ幅を大きく広げ午後に入って776ドル高まで上昇した後引けにかけてやや上げ幅を縮めましたが結局646ドル高の35,227ドルで取引を終え今年最大の上げ幅となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も139ポイント高の15,225ポイントとなりました。
2.経済指標等
主要な経済指標の発表はありませんでした。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は11業種全てが上げました。そのなかでも生活必需品と資本財・サービス、公益事業、エネルギー、素材、コミュニケーション・サービス、金融、不動産、一般消費財・サービスが1%を超える上昇となっています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄はナイキ(NKE)とベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)を除く28銘柄が上げました。そのなかでもウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)が4%近く上昇したほか、ボーイング(BA)、インテル(INTC)、ビザ(V)、アムジェン(AMGN)、アメリカン・エキスプレス(AXP)も3%以上上げています。
ダウ平均構成銘柄以外では、オミクロン株への過度な警戒感が後退したことでレジャー・旅行関連株が高く、空運株ではユナイテッド航空ホールディングス(UAL)とアメリカン航空グループ(AAL)が8%前後の上昇となり、デルタ航空(DAL)も6%高となりました。また、クルーズ船ではノルウェージャン・クルーズライン・ホールディングス(NCLH)が9%を上回る上昇となり、カーニバル(CCL)とロイヤル・カリビアン・クルーズ(RCL)も8%以上上げています。一方で画像処理半導体のエヌビディア(NVDA)が2%以上下げました。欧州連合(EU)の独占禁止法規制当局がエヌビディアによる半導体設計の英アーム買収の調査を一時的に停止したことが嫌気されました。
5.為替・金利等
長期金利は0.10%高い1.44%となりました。ドル円は円安に振れ113円台半ば近辺で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の28,000円を超えてどこまで上値を伸ばせるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)