米国株市場でダウ平均とナスダックのパフォーマンス格差が目立ってきた。先週金曜にかけてダウ平均は3日続落し25日移動平均を割り込む大きな陰線を引いた。一方、ナスダック総合指数は連日で史上最高値を更新した。金利低下でグロース株買いの流れになった。アップル、マイクロソフトが上場来高値を更新。エヌビディアも大幅続伸で上場来高値を更新した。これは半導体関連株への買いを通じて日本株の追い風になるだろう。

ダウ平均が軟調なのは新型コロナウイルスの感染再拡大で景気敏感株が売られて株価の重石になっているからだが、これも日本株の好材料だ。理由は不明だが日本は世界の中で際立ってコロナ感染が抑制されている。リスク回避の消去法で日本株が選好されてしかるべきだろう。

足元で原油価格が下げてきていることも原材料やエネルギーのコスト増が懸念されていた日本企業の業績にとってプラスだ。日本株を取り巻く外部環境は悪くない。

そんな中、日本は火曜日が勤労感謝の日の祝日、米国では25日の木曜日がサンクスギビングデーで休日だ。非常に動きにくい週となる。

注目は26日のブラックフライデー。10月の小売売上高は大幅に伸びたことから消費意欲は旺盛だ。ただ今年は買いたくとも供給制約で品不足が懸念されている。果たして年末商戦シーズンの出足はどうか。

もうひとつの注目は米連邦準備制度理事会(FRB)の次期議長人事。そろそろ発表になるタイミングだ。現議長のパウエル氏ではなく、理事のブレイナード氏となればFRBのさらなるハト派姿勢が意識され、一時的にドル安・円高となって日本株の売り材料となると見る向きがあるが、杞憂だろう。第一に為替は株式の材料にならなくなっている。円安でも株価が好反応しないのだから円高になったときだけ売られるというのは道理に合わない。

そもそもブレイナード氏はパウエル氏よりハト派だ。仮にブレイナード氏が指名されればリスクオンで株は買われるだろう。