東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は3日ぶりに反発しました。42円高の29,641円で寄り付いた日経平均は直後にマイナスとなる場面もありましたが、9円安の29,589円で下げ渋ると直ぐにプラスに転じ11時10分過ぎに157円高の29,755円まで上昇し119円高の29,718円で前場を終えました。

153円高の29,751円でスタートした後場の日経平均は14時20分に102円高の29,701円まで上げ幅を縮めた後持ち直すと大引け前に169円高の29,768円まで上昇し本日の高値を付けましたが、大引けにかけてやや上げ幅を縮めると結局147円高の29,745円で取引を終えています。一方で新興市場は軟調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って下落となっています。

2.個別銘柄等

ホンダ(7267)が3.0%高となりました。アジアを中心とした新型コロナウイルスの感染再拡大で半導体などの部品調達が困難になり減産していた国内工場が12月から通常稼働に戻ることが明らかになり買いが優勢となりました。クボタ(6326)も6.2%高となりました。トラクターで世界最大市場であるインドを足がかりに新興国を開拓するためにインドの農機大手メーカーのエスコーツを子会社化すると発表したことが材料視されました。

イビデン(4062)も3.9%高となりました。青木武志社長が2026年3月期の連結売上高を前期比2倍弱の6000億円以上に引き上げると取材で語ったと伝わったことで大幅高となりました。また、昨日の米国市場で画像処理半導体のエヌビディア(NVDA)が好決算を受けて目標株価の引き上げが相次ぎ大幅高となったことで日本市場でも半導体関連株が高く、なかでも東京エレクトロン(8035)が3.6%高となり昨日に続いて上場来高値を更新し日経平均を1銘柄で78円近く押し上げています。

淺沼組(1852)も一時14.2%上昇しストップ高となる場面がありました。2022年3月期の年間配当を363円と従来予想の260円から103円引き上げたうえ、配当性向をこれまでの50%以上から70%以上とし、2023年3月期の年間配当計画を382円、2024年3月期の年間配当計画を395円としたことで買いを集めました。一方でソフトバンクグループ(9984)が一時2.6%安となりました。決算を受けて出資するアリババ集団(BABA)が昨日の米国市場で急落したことで売りが優勢となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は147円高となりました。昨日の米国市場でS&P500株価指数とナスダック総合株価指数が反発し史上最高値を更新したこともあって買いが優勢となりました。半導体関連株を中心とした買いで堅調となり三桁の上昇となったことから週明けにも30,000円の大台を試すような展開もありそうですが、今月に入って30,000円手前で上値が重くなる展開が続いているだけに来週も30,000円を回復できるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)