今週の日本株相場は日経平均が3万円を試す展開と見る向きが多い。先週後半、日経平均は上向いている25日線ほかの移動平均が密集する手前できれいに切り返した。トヨタ(7203)やSBG(9984)、レーザーテック(6920)など、主力ど真ん中の銘柄が買われて大幅高となった金曜日の地合いを見れば、冒頭述べたような強気見通しが主流になるのも無理はない。その背景は、先週末のストラテジーレポートで述べた通り、SBGの決算発表通過によるアク抜けだろう。

SBGの大幅下方修正で日経平均の予想EPSはそれまで積み上げた上昇分を帳消しにする低下を強いられたものの、その後底打ちから再度、持ち直す動きに。土曜日に報じられた日本経済新聞の業績集計によれば、22年3月期に最終増益を見込むのは全体の約7割と8年ぶりの高水準だ。その好業績に対して日経平均でまだPER14倍台は出遅れ感が強い。業績面の材料はここで出尽くしてもバリュエーションの水準訂正で年末にかけて株価は上昇するだろう。

今週は15日に7~9月期国内総生産(GDP)の速報値の発表がある。緊急事態宣言の時期にあたり弱い結果が想定されるが、それは当然のこととして市場に織り込まれており材料視する向きは限られるだろう。

また15日には、中国の重要指標の発表がある他、米11月ニューヨーク連銀景気指数も発表になる。16日には米10月小売売上高、18日に米11月フィラデルフィア連銀製造業景気指数が発表される。各国の景況感に再び市場の視線が集まる週となるだろう。