【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 35,819.56  △89.08 (10/29)
NASDAQ: 15,498.39  △50.27 (10/29)

1.概況

先週末の米国市場は好決算を好感した買いが続き続伸となり、主要3指数が揃って史上最高値を更新しました。18ドル安でスタートしたダウ平均は直後に97ドル安まで下落しましたが、持ち直すとまもなくして買いが優勢となり昼過ぎには110ドル高余りまで上昇しました。その後伸び悩むと上げ幅を縮め取引終盤に再びマイナスとなりましたが、下げ渋るとプラスに転じ引けにかけて上げ幅を広げました。引け間際に122ドル高まで上昇したダウ平均は結局89ドル高の35,819ドルで取引を終え10月26日に付けた史上最高値(35,756ドル)を更新して取引を終えています。また、S&P500株価指数も8ポイント高の4,605ポイントとなり前日に続いて史上最高値を更新しました。さらにハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も50ポイント高の15,498ポイントとなりこちらも前日に続いて史上最高値を付けています。

2.経済指標等

10月の米シカゴ購買部協会景気指数(PMI)は68.4と前月から低下しましたが市場予想を上回りました。10月の米ミシガン大学消費者態度指数確報値も71.7と速報値から上方修正され市場予想を上回りました。また、7-9月期の米雇用コスト指数も前期比1.3%上昇し市場予想を上回りました。9月の個人消費支出(PCE)も前月比0.6%増となり市場予想を上回っています。一方で米個人所得は前月比1.0%減となり市場予想を下回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち不動産やエネルギー、公益事業などの7業種が下げ、不動産は1%を超える下落となりました。一方でヘルスケアやコミュニケーション・サービスなどの4業種が上げ、ヘルスケアは1%近く上昇しています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄では26日に発表した決算を好感した買いが続きマイクロソフト(MSFT)が2%以上上げ上昇率トップとなり上場来高値を更新しました。また、インテル(INTC)も2%近く上げたほか、前日に市場予想を上回る決算を発表したメルク(MRK)と原油高を受けて決算で売上高や1株利益が市場予想を上回ったシェブロン(CVX)も1%を超える上昇となりました。さらにナイキ(NKE)とユナイテッドヘルス・グループ(UNH)も1%以上上げています。一方で新型iPhoneの販売が振るわず決算で売上高が市場予想を下回ったアップル(AAPL)が2%近く下げ下落率トップとなり、ダウ(DOW)も1%余り下落しています。ダウ平均構成銘柄以外でも決算で売上高が市場予想を下回ったアマゾン・ドット・コム(AMZN)が2%以上下落しています。

5.為替・金利等

先週末の長期金利は0.03%低い1.55%となりました。ドル円は114円近辺で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株高に加えて、衆院選で自民党が単独で過半数を確保したこともあり上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の29,000円を超えてどこまで上値を伸ばせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)