【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 34,378.34 ▼117.72 (10/12)
NASDAQ: 14,465.93 ▼20.28 (10/12)
1.概況
米国市場は米消費者物価指数(CPI)など重要な米経済指標や主要企業の決算発表を控え様子見となるなか国際通貨基金(IMF)が米国の経済成長率の見通しを引き下げたことが重石となり3日続落となりました。11ドル高でスタートしたダウ平均は直後に115ドル高まで上昇した後上げ幅を縮めると前日終値を挟んで揉み合う展開が続きましたが、取引終盤に売りが優勢になると一時は177ドル安まで下落しました。その後引けにかけて持ち直したダウ平均ですが結局117ドル安の34,378ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も20ポイント安の14,465ポイントとなっています。
2.経済指標等
主要な経済指標の発表はありませんでした。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうちコミュニケーション・サービスや情報技術、ヘルスケアなどの6業種が下げ、コミュニケーション・サービスは1%余り下落しました。一方で不動産や一般消費財・サービス、公益事業などの5業種が上げ、不動産は1%を超える上昇となりました。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄ではインテル(INTC)とアムジェン(AMGN)が2%を超える下落となったほか、ベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)とジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)、キャタピラー(CAT)、IBM(IBM)、ボーイング(BA)、シスコシステムズ(CSCO)も1%以上下げています。一方で買いの投資判断を受けてナイキ(NKE)が2%高となり、セールスフォース・ドットコム(CRM)も2%近く上げています。
ダウ平均構成銘柄以外では、電気自動車のテスラ(TSLA)が9月の中国の出荷台数が過去最高と伝わったことで2%近く上げました。民泊仲介大手のエアビーアンドビー(ABNB)も投資判断と目標株価の引き上げを受けて3%以上上昇しています。半導体のマイクロン・テクノロジー(MU)はDRAMメモリーの価格が10-12月期に前四半期比で下落に転じるとの見方が出たことで3%以上下げています。
5.為替・金利等
長期金利は0.04%低い1.57%となりました。ドル円は113円台半ば近辺で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が朝方の売り一巡後に下げ渋るような動きをみせるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)