【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 34,746.25 ▼8.69 (10/8)
NASDAQ: 14,579.54 ▼74.48 (10/8)
1.概況
先週末の米国市場は米雇用統計で雇用者数の増加幅が市場予想を下回ったことで4日ぶりに反落となりました。2ドル高とほぼ横ばいでスタートしたダウ平均は朝方に92ドル安まで下落する一方で、取引終盤に87ドル高まで上昇するなど一日を通して前日終値を挟んで小幅に揉み合う展開となり結局8ドル安の34,746ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も74ポイント安の14,579ポイントとなっています。
2.経済指標等
9月の米雇用統計で非農業部門雇用者数は前月比19万4000人増に止まり市場予想を大きく下回りました。一方で失業率は4.8%と前月から低下し市場予想を上回る改善となりました。また、平均時給は前月比0.6%増となり市場予想を上回っています。さらに8月の米卸売売上高は前月比1.1%減となり市場予想を下回りました。米卸売在庫は前月比1.2%増となり市場予想と一致しています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち不動産や公益事業、素材などの9業種が下げ、不動産は1%以上下落しました。一方でエネルギーと金融が上げ、エネルギーは3%を超える上昇となっています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄では原油価格の上昇を受けてシェブロン(CVX)が2%を超える上昇となり上昇率トップとなったほか、IBM(IBM)とユナイテッドヘルス・グループ(UNH)も1%近く上げています。一方でメルク(MRK)とベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)が1%以上下げ、ウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)とホーム・デポ(HD)も1%近く下落しました。ダウ平均構成銘柄以外では、ケーブルテレビ大手のコムキャスト(CMCSA)とチャーター・コミュニケーションズ(CHTR)が目標株価や投資判断の引き下げを受けて5%近く下げています。
5.為替・金利等
先週末の長期金利は米雇用統計で平均時給が市場予想を上回る伸びとなったことや、原油価格の上昇を受けてインフレ懸念が強まり0.04%高い1.61%となりました。こうしたなかドル円では円安が進み112円台前半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は先週末の米国市場が小幅な下落に止まったことから小動きでのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の28,000円を維持できるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)