【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 33,843.92  ▼546.80 (9/30)
NASDAQ: 14,448.58  ▼63.86 (9/30)

1.概況

米国市場はサプライチェーンの混乱で年末商戦に向けて商品の仕入れが停滞するとの見方から小売り株に売りが出たほか、連邦政府の債務上限問題を巡る与野党交渉の難航も相場の重石となり下落となりました。77ドル高でスタートしたダウ平均は直後に166ドル高まで上昇しましたが買いが続かずまもなくしてマイナスに転じると下げ幅を大きく広げ昼過ぎに490ドル安近くまで下落しました。その後一旦下げ渋ったダウ平均ですが引けにかけて下げ幅を広げると結局546ドル安の33,843ドルと安値圏で取引を終え反落となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も63ポイント安の14,448ポイントと5日続落となりました。

2.経済指標等

4-6月期の米GDP確報値は年率換算で前期比6.7%増と改定値の6.6%増から上方修正され市場予想も上回りました。一方で先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比1万1000件増の36万2000件となり改善を見込んでいた市場予想に反して悪化しました。また、9月の米シカゴ購買部協会景気指数(PMI)も64.7と前月から低下し市場予想を下回っています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は11業種全てが下げました。そのなかでも資本財・サービスが2%以上下落したほか、生活必需品も2%近く下げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄はセールスフォース・ドットコム(CRM)とメルク(MRK)を除く28銘柄が下げました。そのなかでもウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)とスリーエム(MMM)が3%を超える下落となったほか、キャタピラー(CAT)も3%近く下げました。また、ホーム・デポ(HD)とユナイテッドヘルス・グループ(UNH)、ボーイング(BA)、アメリカン・エキスプレス(AXP)、ダウ(DOW)、ウォルト・ディズニー(DIS)も2%以上下落しました。

ダウ平均構成銘柄以外では、サプライチェーンの問題が影響し2021年6-8月期決算が市場予想を下回ったことで家庭雑貨小売りのベッド・バス・アンド・ビヨンド(BBBY)が急落し22%余り下げています。供給網の混乱を懸念した投資判断の引き下げを受けて百貨店のコールズ(KSS)も12%以上下落しています。一方で宇宙旅行のヴァージン・ギャラクティック・ホールディングス(SPCE)は米連邦航空局が宇宙飛行の再開を許可したことで12%以上上げています。

5.為替・金利等

長期金利は0.03%低い1.48%となりました。ドル円は円高に振れ111円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株安で下落してのスタートが予想されます。こうしたなか本日は寄り付き前の8時50分に日銀短観が発表される予定で注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)