【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 34,299.99  ▼569.38 (9/28)
NASDAQ: 14,546.68  ▼423.29 (9/28)

1.概況

米国市場は長期金利の上昇が続いたことでハイテク株が売られたことや、上院共和党が今年12月までのつなぎ予算と来年12月までの米連邦政府の債務上限の適用を凍結する措置を一体化した法案の上院本会議での採決を阻止したことで米連邦政府の債務上限問題を懸念した売りも出て大幅下落となりました。121ドル安でスタートしたダウ平均は下げ幅を大きく広げ午後に入って614ドル安まで売られた後一旦350ドル安程度まで持ち直しましたが、引けにかけて再び下げ幅を広げると結局569ドル安の34,299ドルで取引を終え5日ぶりに反落となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も423ポイント安の14,546ポイントと3%近く下落し3日続落となりました。

2.経済指標等

7月の米S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数で20都市圏住宅価格指数は前年同月比で19.9%上昇しましたが市場予想を下回っています。また、9月の米コンファレンスボード消費者信頼感指数も109.3と前月から低下し市場予想を下回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうちエネルギーを除く10業種が下げました。そのなかでも情報技術とコミュニケーション・サービスが3%近く下落したほか、一般消費財・サービスも2%安となっています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄はシェブロン(CVX)とキャタピラー(CAT)を除く28銘柄が下げました。そのなかでも長期金利の上昇を受けてハイテク株に売りが出るなかマイクロソフト(MSFT)が3%を超える下げとなり下落率トップとなったほか、セールスフォース・ドットコム(CRM)も2%を上回る下げとなりマイクロソフトに次ぐ下落率となりました。

ダウ平均構成銘柄以外でもグーグルの持ち株会社であるアルファベット(GOOGL)やフェイスブック(FB)が3%を超える下落となり、アマゾン・ドット・コム(AMZN)も2%以上下げました。また、半導体株も安くアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が6%を上回る下落となり、エヌビディア(NVDA)も4%以上下げています。マイクロン・テクノロジー(MU)とクアルコム(QCOM)も2%を超える下落となっています。また、半導体製造装置のアプライドマテリアルズ(AMAT)も投資判断の引き下げを受けて7%近く下落しました。一方でフォード・モーター(F)が電気自動車向けの電池生産のための新工場を建設すると発表したことで1%余り上げています。

5.為替・金利等

長期金利は0.05%高い1.53%となりました。ドル円は111円台半ば近辺で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株安に加えて日経平均で180円程度とみられる配当落ちの影響もあり大きく下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は30,000円の大台を割り込みそうですが、13時から自民党総裁選の投開票が行われることもあり様子見ムードの強い一日となりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)