【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 35,031.07 ▼68.93 (9/8)
NASDAQ: 15,286.64 ▼87.69 (9/8)
1.概況
米国市場は新型コロナウイルスの感染拡大による景気回復の鈍化を警戒した売りで下落しました。12ドル安でスタートしたダウ平均はプラスに転じると朝方に75ドル高まで上昇しましたが、伸び悩むとマイナスに転じまもなくして174ドル安まで下落しました。その後持ち直したダウ平均ですが上値が重く軟調に推移すると結局68ドル安の35,031ドルで取引を終え3日続落となりました。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も87ポイント安の15,286ポイントとなり5日ぶりに反落となっています。
2.経済指標等
米地区連銀経済報告(ベージュブック)で米連邦準備理事会(FRB)は新型コロナウイルスの感染拡大により7月初旬から8月を通して経済成長は穏やかなペースへとわずかに減速したとしています。また、7月の米消費者信用残高は前月比170億ドル増に止まり市場予想を下回りました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうちエネルギーや素材、コミュニケーション・サービスなどの6業種が下げ、エネルギーと素材は1%を超える下落となりました。一方で公益事業や生活必需品、不動産などの5業種が上げ、公益事業は1%を超える上昇となっています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄ではダウ(DOW)が2%近く下げたほか、ユナイテッドヘルス・グループ(UNH)とボーイング(BA)、ゴールドマン・サックス(GS)、ナイキ(NKE)、アップル(AAPL)が1%以上下げ、セールスフォース・ドットコム(CRM)も1%近く下落しました。一方でコカ・コーラ(KO)とビザ(V)、スリーエム(MMM)、マクドナルド(MCD)が1%以上上げています。
ダウ平均構成銘柄以外では、暗号資産交換業者のコインベース・グローバル(COIN)が3%を超える下落となりました。ユーザーが暗号資産の融資で金利を稼げる仕組み「レンド」を導入する計画を実行に移せば提訴するとの通知を米証券取引委員会(SEC)から受け取ったと明らかにしたことが嫌気されました。セキュリティー対策ソフトのマカフィー(MCFE)も既存株主による2000万株の株式売り出しを発表したことで8%以上下げています。
5.為替・金利等
長期金利は0.03%低い1.34%となりました。ドル円は110円台前半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は30,000円の大台を割り込みそうですが、利益確定の売りが出やすいなかで朝方の売り一巡後に下げ渋るような展開をみせるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)